第2回 姿勢が変わると笑顔も変わる〜笑顔の秘訣〜

第2回 姿勢が変わると笑顔も変わる〜笑顔の秘訣〜

2025年の残暑も暑さが続いていますね。今年の夏、摂取した水分量はいかがでしたか。
わたしたちのからだにとって[水分]は欠かせません。まだまだ続く暑い時期、水分をしっかり摂取して、体内からケアしていきましょう。

さて、お口の健康と姿勢には深いつながりがあることをご存じでしょうか。噛み合わせや呼吸の仕方は姿勢に影響し、姿勢の崩れは顎やお口の筋肉、そして笑顔の表情にまで影響を与えます。
歯科の観点からも、姿勢を整えることはとても大切なのです。

それでは「第2回 姿勢が変わると笑顔も変わる〜笑顔の秘訣〜」です。
第1回では正しい呼吸についてお話ししました。呼吸によって姿勢は変わりますが、姿勢を意識するだけでもからだやお口の働きは変化します。
今回は[姿勢]についてお話しします。

人間のからだ

わたしたちのからだは、心臓、肺、胃や腸、骨、筋肉など、さまざまな器官が集まり、それぞれが役割を持って常に連携して働いています。
人間の姿勢をつくっている[骨]と[筋肉]は、以下の図のようになっています。

姿勢をつくる骨の中でも、脊椎(せきつい)は、首から腰にかけて連なる 椎骨(ついこつ) が積み重なった構造で、一般的に「背骨(せぼね)」と呼ばれています。

脊椎は、頚椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)、仙骨(せんこつ)、尾骨(びこつ)という複数の骨が積み木のように重なって出来ています。
(頚椎は7つ、胸椎は12、腰椎は5つ、仙骨・尾骨は1つの骨が重なっています)

人間の姿勢を作る骨の図

脊椎はからだの重みを支えるだけではなく、からだを曲げたり伸ばしたり、脊椎の内部の脊髄(せきずい)を守っています

脊髄(せきずい)は脳から続く神経の束で「からだを動かす神経」と「からだで感じとる神経」があり、とっても大切な器官の一つです

よい姿勢とは?どんな状態がよい姿勢なのでしょう

よい姿勢とは、骨と筋肉で重心を保ちつつ、からだ全体(上半身、下半身、手足など)が動きやすい状態のことです。
背筋がピンと伸びた姿勢が必ずしもよい姿勢とは限りません。

皆さんの背骨は、緩やかなS字カーブになっていますか?
脊椎は上半身の重みを効率よく前後に分散させ、筋肉に負担がかからない仕組みになっています。

骨盤の位置はどうでしょう?
上半身と下半身をつなぎ、からだの重心を支えるのが骨盤です。全身を支える土台であり、内臓や生殖器を守る働きも担っています。

🚩 よい姿勢「5つのポイント」と、「一般的に多い姿勢」をご紹介

5つのポイント

力学的(重心、支持基底面)
生理学的(疲れにくい姿勢)
心理学的(安定している)
作業効率的(動きやすく効率的)
美的(見た目に美しい姿勢)

一般的に多い姿勢

わたしたちがイメージするよい姿勢は、見た目になってしまいますね
姿勢は、わたしたちそれぞれの人生そのものです
自分のからだを知って、無理ない姿勢とより良い動かし方ができるようになることが一番です

よい姿勢は、からだが動きやすく、重心が安定している姿勢です
その姿勢が楽に感じ、動けることがまず大切なんです

姿勢と顔やお口の関係

歯医者さんのコラムなのに、なぜ姿勢!?と思われたかもしれません。

実は、姿勢は顔や表情、口の機能に影響を与えます。
姿勢の崩れは口角を下げ、顔の筋肉に負担を増やします。お口の機能には「呼吸する・話す・食べる・表情をつくる」という4つがあり、これらは姿勢によって大きく左右されます。

姿勢が影響を与える|お顔の筋肉

姿勢が崩れてしまうと、顔の筋肉の緊張を高めてしまいます
表情をつくる筋肉の働きを妨げて、表情が硬くなったり、表情をつくる能力を低下させる可能性があるんです

お口の機能と姿勢は相互に関係していますよ
バランスのとれた噛み合わせはからだ全体のバランスをとり易くし、

また噛み締めることにより、握力や瞬発力、集中力を保つことにもつながります
ただ、力み過ぎも良くないので、注意が必要です

姿勢を保つためのエクササイズ2種類

「正しい呼吸」と「姿勢」を意識して運動を行えると理想的です。
第2回では、呼吸のためのストレッチをもとに、よい姿勢のためのエクササイズを取り入れていきます。

姿勢を意識した呼吸法は「インナーマッスルを鍛える」ことができます
ポイントはここです!

よい姿勢を保ちつつ運動をすることは、呼吸筋だけではなく、姿勢を保つ筋肉や体を動かす筋肉にも効果があります

座って行うエクササイズ

体幹を安定させて上半身を動かし、インナーマッスルを鍛えましょう!

基本姿勢で深呼吸 姿勢を意識しましょう!

足底を床につけ、
耳、肩、腰が一直線になるように座りましょう頭を上に引き上げるように意識して呼吸を繰り返します

肩回りのストレッチ 肩回し運動

前回し後ろ回しを交互に行いましょう
※手を肩につけず、肘を曲げて行っても大丈夫
※この時も深呼吸と同じように良い姿勢を意識しましょう

上体伸ばし(胸郭・体幹の伸展)

両手を組み、組んだ手を上に上げます
そのままの姿勢で大きく息を吸い、
そして息をしっかり吐きましょう
※動かしているのは腕ですが、お腹を引き上げるように意識しましょう

首周りのストレッチ

①首をゆっくり下・上に動かします
②耳を肩に近づけるように、ゆっくり横に倒します
③首を水平に動かします。自分の鼻、肩が並ぶように動かします

お顔のマッサージ(口腔周囲筋のストレッチ)

①顔全体を両手の手のひらで覆います
②手のひら、手指をつかって、 お口のまわりをマッサージします(後ろから前に)
③両方の頬に手のひら、手指をあて、円を描くようにマッサージをします
④手のひら・手指で円を描くように、こめかみまでマッサージをします

お顔のマッサージ2

図のように手を顔に当てて、マッサージをします
①眼の下から目じりにかけて
②おでこに手を当てて、まばたきを繰り返します

眼の周りのストレッチ

ぎゅっと眼を閉じて、パッと大きく眼を開きましょう

頬の運動

頬をふくらます⇔へこます を交互に行いましょう

立って行うエクササイズ

日常生活で取り入れたい!姿勢を意識しつつ立って行う運動

足部を感じて運動しましょう

壁に手を軽く当てて、正面を向きます
足の裏が地面にしっかりついていることに集中し、頭が天井に伸びているように意識しするとよいです

①つま先立ち
からだを少し壁の方に近づけるように斜め上に伸び上がります
②踵立ち
お尻を軽く後ろに引くようにしつつ、立った姿勢を保ったまま踵に重心を移動してつま先を上げます

重心の上下運動

重心はお臍の下あたりにあります

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