「動脈硬化」を発症すると「足にどんな初期症状」が現れるかご存知ですか?

「動脈硬化」を発症すると「足にどんな初期症状」が現れるかご存知ですか?

下肢閉塞性動脈硬化症の治療法

ウォーキングする女性の足元

足の動脈硬化の初期症状が疑われる場合、何科を受診すればよいですか?

動脈硬化は血管の病気であるため、初期症状が疑われる場合には、循環器科や血管外科を受診しましょう。下肢閉塞性動脈硬化の初期症状である足のしびれや冷感は、糖尿病でも起こることがあります。また、足のしびれや痛みは関節や神経の炎症で起こることも少なくありません。疑わしい症状がある場合には、まずは早めに近くの医療機関を受診し、症状の原因を特定することが大切です。

下肢閉塞性動脈硬化症の診断方法はどのようなものですか?

下肢閉塞性動脈硬化の検査では、ABI検査とよばれる両腕両足の血圧測定が一般的です。両手首と両足首にカフを巻き、腕と足の血圧を測定します。通常であれば足の血圧は腕よりも高くなりますが、下肢閉塞性動脈硬化によって血流が悪化している場合、足の血圧が腕よりも低くなります。足の血圧が腕に対して0.9未満である場合は、下肢閉塞性動脈硬化の可能性が高いでしょう。その後にエコー検査やCT検査で血管の状態を詳しく調べ、確定診断を行います。

下肢閉塞性動脈硬化症はどのようにして治療しますか?

下肢閉塞性動脈硬化の原因が生活習慣にある場合、まずは生活習慣の改善が必要です。乱れた食生活の改善や、運動不足の解消が重要です。運動療法には、医療機関で行う監視下運動療法と、患者さんが自主的に行う在宅運動療法があります。歩行障害が重度でなければ、在宅運動療法が基本となるでしょう。これに加えて、薬物療法が必要な場合には、血栓を溶かす薬や血管を広げる薬が用いられます。運動療法や薬物療法で効果が見られない場合には、外科手術が必要になります。細くなった血管をバルーンで拡張するバルーン治療や、ワイヤーで補強するカテーテル留置などが一般的です。また、詰まった血管を迂回する新たな血流路を作るバイパス手術もあります。下肢の一部が壊死して回復が見込めない場合は、悪影響が全身に広がるのを防ぐために切断せざるを得ません。なるべく身体に負担の少ない治療で身体の機能を守るためにも、早めの治療が大切です。

日常生活で改善すべきことを教えてください。

動脈硬化は生活習慣病として発症するケースがほとんどであるため、予防や治療には生活習慣の改善が不可欠です。食べ過ぎや運動不足によって肥満になっている場合は、まずバランスのよい食事と運動習慣を心がけましょう。1日3食で食事の品目を多くすることで、食べ過ぎや栄養の偏りを防ぎやすくなります。運動習慣は、1日30分を目安にウォーキングなどの軽い運動でも十分効果的です。喫煙や飲酒は動脈硬化のリスクを高めるため、なるべく控えるようにしましょう。薬物療法や手術療法で症状の進行を止められても、原因となった生活習慣を正さなければ、根本的には治らないことを忘れないようにしましょう。

編集部まとめ

公園を話しながら歩く高齢者夫婦

足の動脈硬化である下肢閉塞性動脈硬化の初期症状や、治療法を解説してきました。

動脈硬化は代表的な生活習慣病で、適切に治療しなければ心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる事態になる場合も少なくありません。

また、足が壊死して失うことになると、生活の質が大きく低下してしまいます。

足を切断した患者さんのうち、30%が2年以内に死亡しているという報告もあり、早めの治療で足を守ることは命を守ることにもつながります。

足のしびれや歩行時の痛みを感じたら、早めに近くの医療機関に相談しましょう。

参考文献

動脈硬化|厚生労働省

末梢動脈疾患って?|日本血管外科学会

下肢閉塞性動脈硬化症に対する治療について|東京大学医学部附属病院血管外科

配信元: Medical DOC

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