ようやくスタートライン
話し合いが終わり、義母が私にそっと言った。
「えりなちゃん、本当にごめんなさい。そして、本当にありがとう。これからは遠慮しないでちょうだい。あなたが倒れたら、ハルキが一番悲しむもの。あなたの笑顔が、ハルキの回復に繋がるんだからね」
ああ、みかさんのおかげで、家族は1つにまとまれた。誰にも理解されない孤独感から救われ、私は再び、夫の回復のため、家族みんなで支えようと一致団結することができた。
「ハルキ、焦らなくていいよ。私も、みんなも、ハルキが元気になるまで待ってるからね」
そう優しく声をかけられる自分に戻れたことが、何よりうれしかった。私の闘いはまだ続くけれど、もう1人ではない。そう思えるだけで、私はもう少し頑張れる。大事な家族だからこそ、一大事のときはみんなで支え合うんだ。義姉のおかげで私たちはようやくスタートラインにたった。
あとがき:家族で支え合う介護へ
最終話では、問題の「構造」を解決することの重要性を描きました。義母の謝罪は重要ですが、それ以上に必要なのは「えりなの負担を物理的に減らす」という具体的な行動です。
みかさんが提案した「ハルキの実家療養」と「えりなへの確実なリフレッシュ時間提供」は、えりなの生活を「仕事と家事と育児」に軽減し、精神的な余裕を取り戻させました。えりなの闘いは続くものの、「もう一人ではない」という希望とともに、物語は幕を閉じます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

