20歳から40歳で何の症状があると「早老症」と診断される?検査を医師が解説!

20歳から40歳で何の症状があると「早老症」と診断される?検査を医師が解説!

早老症とは、通常よりも若い年代で老化現象が起きてしまう病気です。国の指定難病にもなっています。およそ20~50万人に1人の確率で発症すると推定されています。

多くの場合、動脈硬化など老化に伴う合併症を引き起こしてしまう病気です。そのため、発症すると日常生活において周囲のサポートが必要不可欠になります。

今回は早老症の症状や原因・日常生活での注意点について解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「早老症」の診断基準となる症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

早老症の検査と治療方法

シニア女性に話しかけるエプロン姿の女性

どのような検査を行いますか?

早老症の診断には、遺伝子検査を行う場合もあります。ただし、国内に遺伝子検査を行える施設はまだ少ない状況です。
そのため、早老症の診断には先に主要な症状がでているかどうかで診断結果が下されます。診断基準に沿って早老症と診断された後に遺伝子検査を行うことが多いです。

早老症の診断基準を教えてください。

20歳~40歳で以下の主要徴候すべてに当てはまると早老症と診断されます。

白髪化・脱毛現象

両目の白内障

皮膚の萎縮・硬化・潰瘍形成

アキレス腱などの軟部組織の石灰化

鳥様顔貌

声がしわがれる・甲高くなる

また、全てではなく3つ以上当てはまり、なおかつ遺伝子検査を行って特定遺伝子の異常が見つかった場合も早老症と診断されます。
これらの症状以外にも、早期年齢での骨粗鬆症などの骨異常や悪性腫瘍・動脈硬化がみられる場合にもウェルナー症候群と診断される場合があります。

治療方法について教えてください。

早老症はまだ治療方法が見つかっていません。症状に対する対症療法のみを行います。
具体的には、皮膚トラブルへの対処や合併症の治療です。早老症の患者は皮膚に潰瘍ができることが多く、日頃から皮膚のケアが必要になります。早老症の潰瘍は重度の場合が多く、骨が皮膚を内側から傷つけたことによりできる傷です。そのため、できる限り潰瘍ができないよう皮膚を保護する治療が必要です。
また、早老症の合併症として悪性腫瘍(がん)・白内障・糖尿病を発症する可能性があります。基本的にはそれらの合併症に対しての治療が多いです。

編集部まとめ

高齢者の歩行介助をする介護士
早老症は20歳代から老化現象が発現する難病です。白髪化・白内障の他、身体の内部から動脈硬化などの疾患が現れる可能性のある病気です。

完全な治療方法はまだ確立されていません。そのため、発症するとできることは対症療法となります。

ただし、現在では合併症への対処が可能になったため、60歳代まで生存できるようになりました。

早老症には周囲のサポートが必要不可欠です。日常生活のサポートや、合併症への対処など無理のない範囲でサポートしてあげてください。

参考文献

早老症とは|健康長寿ネット

ウェルナー症候群(指定難病191)|難病情報センター

ウェルナー症候群|千葉大学大学院医学研究院

配信元: Medical DOC

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