3.薪の材質や組み方によって焚き火は変わる
どんな薪を使うかで、火の燃え方は大きく変わる。針葉樹は火がつきやすく、立ち上がりが早い。ただし勢いがある分、すぐに燃え尽きてしまう。広葉樹は逆で、火がつくのに時間はかかるが、いったん火が回ると長持ちする。火を扱っていると、この差がはっきりとわかってくる。

火をつけるときは、まず針葉樹で勢いをつけ、その炎を使って広葉樹に火を移していく。スギやヒノキは小枝でも火がつきやすく、音を立ててよく燃える。
ナラやクヌギは火がつくまでに時間がかかるが、熾火になってからが長い。そうした薪の性格を知ってくると、「今日はどの順番で組もうか」「あの種類は風に強かったか」など、自然と組み方を工夫するようになる。

薪の組み方でも違いは出る。合掌型にすれば炎が高く立ち上がりやすく、並列型は安定感があって燃焼効率もいい。他にも細かいバリエーションもある。組み方によって火の回り方が変わるので、試してみると違いがはっきり出る。
こうした違いに気づき、それぞれの特徴を踏まえて組んでみる。うまくいけば、薪の崩れ方も狙い通りになり、炎の形も安定してくる。思ったようにいかないときは、どこに問題があったのかを観察しながら直していく。
薪の種類や組み方を工夫して、自分なりに火をつくっていく感覚。そこに焚き火の面白さがある。
4.焚き火を楽しむためのギア
焚き火は、火をつけて燃やすだけの行為に見えるかもしれない。だが、使う道具によって、その時間は作業から遊びへと変わっていく。ただ便利なだけではない。「これを使ってみたい」と思わせる道具には、それ自体が楽しみ方の一部になっている。

ファイアスターターは、そんな道具のひとつだ。金属同士をこすって火花を散らし、麻縄やチャークロスに着火する。ライターを使えば一瞬で終わる作業に、あえて時間をかける。力加減などにちょっとしたコツがあり、それを掴んでいく過程が面白い。うまく火が移ったときは、それだけで一段上の火起こしをした気分になる。

薪ばさみも焚き火をするうえでは欠かせない。炎をつくるとは、薪の位置を調整することと言っても過言ではない。そのためには薪を掴むためのギアが必要になる。自分の思い通りになる薪ばさみを見つけるのも焚き火の楽しみ方のひとつだ。

火吹き棒も、実際に使ってみると意外に楽しい。細い金属の筒を通して、火種にピンポイントで空気を送る。狙い通りに炎が大きくなると、「いまのは自分のひと息で火が動いた」という感覚がはっきりある。火との距離が縮まったように感じられる道具だ。

薪割りも、焚き火の一部になる。ナタで焚き付けを作るとき、木の繊維の流れや硬さが手に伝わるはずだ。スッと割れたときの爽快感、うまくいかず刃が止まったときの微調整。薪を「買ってくるもの」から「自分で整えるもの」に変えるだけで、火を育てる工程の感触が変わってくる。
こうした道具は、ただ便利なだけではない。「使ってみたい」と思わせる魅力があり、「使ってよかった」と思える手応えがある。 そして何より、焚き火の時間を「何かをやってみたくなる場」に変えてくれる。

