松本若菜、強さと愛情と使命感を持つ役柄に胸を打たれる「完璧な女性ではないところを出せたら」<ザ・ロイヤルファミリー>

松本若菜、強さと愛情と使命感を持つ役柄に胸を打たれる「完璧な女性ではないところを出せたら」<ザ・ロイヤルファミリー>

「ザ・ロイヤルファミリー」第1話より
「ザ・ロイヤルファミリー」第1話より / (C)TBSスパークル/TBS

妻夫木聡主演の日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」(毎週日曜夜9:00-9:54※10月19日は夜9:00-10:09、TBS系)の第2話が、10月19日(日)に放送される。同作は、山本周五郎賞やJRA賞馬事文化賞を受賞した早見和真の同名小説を原作に描く、人間と競走馬の20年にわたる壮大なストーリー。

主人公の栗須栄治を妻夫木が演じる他、佐藤浩市、目黒蓮、松本若菜、沢村一樹、黒木瞳、小泉孝太郎、安藤政信、高杉真宙、津田健次郎、吉沢悠らが出演している。

このたびWEBザテレビジョンでは、栗須の元恋人で、北海道日高地方にある競走馬の生産牧場「ノザキファーム」を父と共に経営している野崎加奈子役の松本にインタビューを実施。原作・脚本の印象や撮影現場でのエピソードなどを聞いた。

■原作に衝撃「競馬というもののイメージがガラッと変わりました」

――原作及び脚本を読んだ印象をお聞かせください。

原作を読ませていただいた時点で、ものすごい世界観だと感じました。私は正直、競馬の世界がどういったものか、競走馬はどうやって生まれてくるか、そういうことを全く知らない状態だったんです。

どんなバックボーンがあって、人がどう関わって競走馬が出来上がっていくか、そういったことを知りながら原作を読ませてもらったので、私の中で競馬というもののイメージがガラッと変わりました。それに合わせて、人と人とのつながりや継承の物語が広がっていて、衝撃に近い感じでした。

原作を読ませていただいた後に脚本を読んだら、原作の世界観の素晴らしさもありながら、原作よりもさらにそれぞれのキャラクターのつながりが強くなっている気がしました。私が演じる加奈子も、私が演じさせていただくなら、原作よりもさらにもっと人間味の強いキャラクター像にできたらなと思いながら読ませていただきました。

――野崎加奈子という役柄の魅力と、演じる上で大切にしていることを教えてください。

加奈子は大学進学と同時に一度は東京に出て、東京で結婚し、きっとそのまま東京で暮らすつもりだったと思うのですが、子供ができて自分の中に生まれた新たな命を感じたときに、実家の牧場を継ぐことを考え始めるんですよね。

自分の育ってきた環境は、さらに強い馬を育てるために強い馬同士を掛け合わせる生産牧場ですが、それでも絶対に強い馬が生まれるとは限らなくて、それも一つの賭けなわけで。そういう後世に残るサラブレッドを育てる意味を、自分に子供ができたことで改めて感じます。

そして、実家の牧場の経営を続けるということが自分の使命になる。それで離婚して実家の牧場を継ぐなんて、そんな強い女性いますか?強いだけでなく、日高という地方への愛や、自分たちの世代がもっと盛り上げていかないといけないという使命感もあります。

自分の将来がどうなるか分からない不安もあっただろうに、それを投げ捨ててでも子供と一緒に賭けに出た、そういう加奈子の部分に私は魅力を感じました。

どうやって加奈子を演じようかなと思ったときに、強さだけではなく悩みも抱えた、完璧な女性ではないところを出せたらいいなと思いながら演じています。
「ザ・ロイヤルファミリー」第1話より
「ザ・ロイヤルファミリー」第1話より / (C)TBSスパークル/TBS


――役柄との共通点はありますか?

ないです!だって、加奈子はすごいですもん。生活リズムが全然違いますし、いくつもの命を背負っているわけですから、そもそもの人間が違うなと思います。そう簡単にできる仕事ではないと思います。

――加奈子は妻夫木さん演じる栗須と元恋人という設定ですが、その2人の関係性をどのように醸し出そうと意識されていますか?

1話で昔の回想シーンが入ったりしてなんとなくそうなのかなと思わせる感じではあるけど、そういった元恋人の空気感をどうやって出そうかというのは、塚原あゆ子監督と結構しっかり話し合いました。

学生の頃付き合っていて10年ぶりの再会なので、気まずさプラスうれしさも半分ある感じを出したいと監督がおっしゃって。振り返った後の栗須を見る瞬間とか、携帯電話を見て「まだ使ってるんだ」と懐かしむ様子で、実はこの2人には長い歴史があるんだと思ってもらえるように作りました。

「ザ・ロイヤルファミリー」第1話より
「ザ・ロイヤルファミリー」第1話より / (C)TBSスパークル/TBS

■馬と触れ合う特殊な撮影「種を超えたつながりみたいなものを感じた」

――撮影で大変だったことを教えてください。

やっぱりお馬さんは生き物なので、なかなか私たちの思うようには動いてくれなくて。北海道での撮影は特にお馬さんとのシーンが多かったのですが、仔馬は大人に比べて人間と触れ合う数が圧倒的に少ないので、極力最小人数で近づいて撮影していました。

それでもやっぱりどうしても慣れないことで、お馬さんもちょっとびっくりしていて。でも本番は本当に感動的なシーンになっていたので、私たちのそういうちょっとした気持ちの動きとかも読むのかなと思いました。

私たちが不安になるとお馬さんたちもせわしなく動いたりするけど、シーンの雰囲気を感じてくれたのかなと思うと、大変さもありますが、同時に種を超えたつながりみたいなものを感じた瞬間でもありました。

――撮影の合間の雰囲気はいかがですか?

結構素に近い感じでいることが多いです。妻夫木さんとも「ここはこういうふうにやりたい」といった話はお互いあまりしていないんです。塚原監督も常に“そこに実際に生きていてほしい”とおっしゃっていて。

決め込みすぎると段取りになってしまうので、ある程度は作るけど、カットごとに違う芝居になってもいいから、とにかくそのときに感じたリアクションを取ってほしいと。我々としてはつながりとかあるけど大丈夫かな?と思ったりするんですけど(笑)。でも、皆さんが自然体で現場にいられるのは、そういうこともあるからなのかなと思っています。

あと、妻夫木さんはやっぱりものすごくリーダーシップを取ってくださいますし、みんなと仲良くフランクにされているのは、妻夫木さんの大らかな心があってのことだと思います。浩市さんはとても豪快な方で、山王耕造を演じていて素晴らしいなと思う瞬間がたくさんあります。

そんな妻夫木さんと浩市さんがわちゃわちゃしているのを見るのが私の癒やしです。仲がいいんですよ。栗須と山王の2人の距離が近づいていくその瞬間が、裏で見るお二人のわちゃわちゃとたまにリンクするときがあって、あのお二人は本当にすてきだなと思います。

■競馬に関わる人々の熱情「その中心には必ず競走馬がいる」

――作品を通してどんなことを伝えたいですか?

人間と競走馬の物語というところで、夢や希望だけでは食べていけないという現実も見ていただきたい部分だなと思っています。そこが日高という地方の大きな悩みでもあるので、そういったところでの人と人とのつながりは大切に描かれていると思います。

そして、その中心には必ず競走馬がいます。競馬に関わる全ての人が願っている夢はたった一つで、人間たちももちろんですが、お馬さんがいてその夢は叶うものです。だからこそ、そこに懸ける思いや情熱はお馬さんにも通じていると思って、私は加奈子を演じています。

――最後に、第2話の見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。

ロイヤルヒューマン社の競馬事業部はなんとか存続できたもののまだ赤字は続いていて、どうやってこの先も存続させていくかというところが描かれます。山王の長男・優太郎から「中央競馬で一勝してくれ」ということを言われるのですが、そんな簡単にできることではなくて。

その後、ロイヤルファイトにみんなが夢を懸けるのですが、新たな出会いもあり、みんなの気持ちがどう変わっていくのか、今後どういう采配がなされるのかに注目してほしいです。

加奈子が調教師を紹介するシーンもありますし、栗須が改めていろいろな現実を知っていくシーンもあるので、そこも見どころだと思います。お馬さんの感情が出るお話になっていて、さらにキャラクターも濃く描かれているので、ぜひ見ていただきたいと思います。
「ザ・ロイヤルファミリー」第2話より
「ザ・ロイヤルファミリー」第2話より / (C)TBSスパークル/TBS

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