卵巣がんの腹水についてよくある質問
ここまで卵巣がんの腹水・腹水以外の症状・治療方法などを紹介しました。ここでは「卵巣がんの腹水」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
卵巣がん以外のがんで腹水が溜まることはありますか?
馬場 敦志医師
腹水が溜まる原因となるがんは、卵巣がん以外にもあります。大腸がん
胃がん
膵臓がん
子宮体がん
乳がん
上記のがんが発生すると、お腹のなかで炎症が起こります。これをがん性腹膜炎といいます。炎症によって血管内の成分が異常に多く出るため、腹水として溜まるのです。
腹水はどのようにして体外に排出するのでしょうか?
馬場 敦志医師
腹水を体外に排出する方法には、薬物を投与する方法や腹腔内にカテーテルを挿入する方法などがあります。薬物の投与では、利尿薬を日常的に使用し体外に腹水を排出します。腹水穿刺ドレナージ・腹腔静脈シャント・腹水濾過濃縮再静注法は、直接腹腔内にカテーテルを挿入して腹水を抜く方法です。それぞれにメリット・デメリットがあるため、どのような方法なのかをよく医師と相談することが大切です。
編集部まとめ
卵巣がんは、初期の段階では症状がない場合が多く、自覚症状が出たときには進行している可能性が高いがんです。
自覚症状の1つである腹水は、卵巣がんでは多くみられる症状です。
腹水が確認されると、がんが進行しているサインでもあります。腹水が多くなると、お腹が張ったり食欲不振になったりと付随する症状も出てきます。
卵巣がんはほかの臓器に転移しやすいため、早期に気付き治療を行うことが大切です。
早期発見・早期治療につなげるためにも、気になる症状がある場合には定期的な検診や受診をするようにしましょう。

