ヨーロッパを中心に、多くの疼痛性疾患の除痛を目的として普及しつつある「体外衝撃波治療」。現時点で、日本で取り入れている医療機関はそれほど多くありませんが、治療効果が高く、安全性も優れているとして注目を集めています。今回は体外衝撃波治療の仕組みと効果について、「世田谷かくた整形外科 成城学園前院」の角田先生に解説していただきました。

監修医師:
角田 篤人(世田谷かくた整形外科 成城学園前院)
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。その後、東京慈恵会医科大学整形外科学講座。東京慈恵会医科大学附属第三病院整形外科診療医長、東京慈恵会医科大学整形外科学講座講師などを務める。2023年、東京都世田谷区に「世田谷かくた整形外科 成城学園前院」を開院。医学博士。日本整形外科学会専門医・認定スポーツ医・認定リウマチ医・認定リハビリテーション医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
編集部
体外衝撃波治療には、どのような効果があるのですか?
角田先生
まず、患部に体外衝撃波を照射すると、痛みの元となる組織に直接作用します。そして、痛みを受け取る受容器である「自由神経終末」を減少させ、痛みを和らげる効果が期待できます。また、痛みの伝達に関与する神経伝達物質を減少させることで、痛みが伝わるのを抑制する効果もあります。
編集部
そのほかには、どのような効果がありますか?
角田先生
血管を新しく作ったり、コラーゲンを産生したりする成長因子を作ることにより、変性した腱組織を再生させる効果が期待できます。そのほか、血流を改善して筋緊張を緩和させたり、リンパ管を新生して石灰沈着の吸収を促進したり、骨形成タンパク質を放出して骨形成を促進したりします。
編集部
具体的には、どのような疾患に対して適応となるのですか?
角田先生
一例として、以下の疾患に対して効果が期待できます。足底腱膜炎
アキレス腱炎・アキレス腱付着部炎
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)・ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)
石灰沈着性腱板炎・腱板炎
偽関節・疲労骨折
早期の離断性骨軟骨炎・早期の骨壊死
編集部
様々な疾患に対して適応になるのですね。
角田先生
そうですね。最近では、メジャーリーガーやトップアスリートなども疼痛の緩和などに用いています。日本ではまだ知名度が高くないかもしれませんが、欧米では広く普及している治療法です。
※この記事はMedical DOCにて<足の裏に「体外衝撃波治療」ホントに効果ある? 治療回数・費用目安・保険適用のケースも医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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