「悪い夢の中にいるみたい」 チリを逃れ、日本で生きる料理人が法廷で語った言葉

「悪い夢の中にいるみたい」 チリを逃れ、日本で生きる料理人が法廷で語った言葉

●ペニャさん「ビザが出たら、すぐに働きたい」

ペニャさんに今の生活について話してもらった。

「ビザを失ってから、ずっと苦しかった。でも裁判で弁護士や友人たちに支えられていると感じ、少し気持ちが楽になっています。

ビザが出たら、すぐに働きたい。料理をするのはとても楽しい。みなさんの支援ではなく、自分で稼ぎたい。ビザさえ出れば雇ってくれる店もあります。

家賃も電気もガスもとても大変。働いて、迫害のときに負った膝のケガを治したい。今は保険がないので、病院では注射しか受けられません」

そして、少し間をおいてから寂しそうに続けた。

「もし叶うなら、お父さんのお墓参りをしたい。お父さんは優しくて温かい人だった。でも、それは叶うことはないと思います……。」

最後に日本の人々への思いを尋ねると、静かにこう言った。

「駒井弁護士や、友人のみなさんに支えられて、とても感謝しています。いつも、いつもありがとうございます」

(ライター・織田朝日)

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