「白血病の原因」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「白血病の原因」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「白血病の原因」についてよくある質問

ここまで白血病の原因を紹介しました。ここでは「白血病の原因」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

白血病はストレスや過労が原因で発症するのでしょうか?

影山 広行 医師

多くの悪性腫瘍と同様に白血病の原因もよくわかっていませんが、ストレスや過労と白血病の発症にあまり関連はありません。

子供で白血病を発症する原因について教えてください。

影山 広行 医師

白血病の家族内発症リスクがわずかに高いこと、兄弟や一卵性双生児では発症リスクが高いことから遺伝や環境因子が存在する可能性はありえますが、一般論としては原因についてははっきりしておらず、何が原因というわけではなく、ご両親からの遺伝や食べ物などの生育環境が問題とも考えられてはいません。

編集部まとめ

急性白血病では、貧血症状、出血症状、発熱や感染症などの症状が急激に出現し、医療機関を受診して見つかることが多いです。慢性白血病は健康診断の採血などをきっかけに無症状で発見されることが多い傾向にあります。
小児白血病は以前では80%が死亡していましたが、現在は80%が治る時代となっています。急性白血病は若年者でも発症しますが、高齢者での発症率がより高くなります。成人急性白血病では過去20年ほど治療成績が変わっておらず、8割以上が寛解するが3-6割程度再発するとされており、5年生存率も40%以下です。一方、慢性白血病の慢性骨髄性白血病では5年生存率は9割以上、慢性リンパ性白血病での生存期間中央値は10年とかなり幅があります。
白血病の治療自体は確実に進歩しています。以前はがん細胞だけでなく正常な細胞もやっつけてしまう、有害事象の多い(副作用の強い)抗がん剤のみの治療でしたが、近年の分子病態の理解や解明が進み、がん細胞の増殖、進展に関連する分子だけを攻撃する分子標的薬や抗体医薬が多数開発され、有害事象も少なくなる傾向にあります。これらの治療には遺伝子・染色体や細胞表面マーカーの情報が必ず必要になります。
余談にはなりますが、白血病は相対的には従来の抗癌剤治療が効きやすい病気で、固形がんにはあまり効きませんでした。現在は固形がんの分子病態の解明が進み、効果的な分子標的薬や抗体医薬が増えてきており、治療が著しく進歩しています。適切な治療法を選択するには白血病と同様にがん細胞の遺伝子・染色体や細胞表面マーカーの情報が必ず必要となります。
その他にも、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患、骨粗鬆症などでも分子標的薬や抗体医薬による新しい治療が進んできています。
白血病などの血液の悪性腫瘍で最初に新しい分子標的薬や抗体医薬が導入され、効果が確認されると他の病気に応用されるという形で治療法が進歩している傾向にあります。そういう意味では今後もまだまだ新しい治療法が開発され、治療成績のさらなる改善に期待が持てる病気でもあります。
いずれにしても、白血病は種類もさまざまで、発症からの経過、治療法、治療経過や予後もさまざまです。白血病が疑われたら、直ちに専門医を受診して、適切な診断、治療を受けることをお勧めします。

配信元: Medical DOC

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