「声帯ポリープの治療法」は何があるかご存じですか?再発予防も医師が解説!

「声帯ポリープの治療法」は何があるかご存じですか?再発予防も医師が解説!

歌を歌ったり、大きな声を出すと、声が出にくいと感じる方がいます。もしかしたらそれは声帯ポリープという病気かもしれません。声帯ポリープは、声の酷使などにより声帯に生じる良性の腫瘤です。主な症状は嗄声で、痛みはほとんどありませんが、放置すれば次第に大きくなってさらに声が出しにくくなることがあります。本記事では、声帯ポリープ治療法や再発を防ぐ方法などを解説します。

武田 美貴

監修医師:
武田 美貴(医師)

平成6年札幌医科大学を卒業し、札幌医科大学放射線科に入局。画像診断専門医となり、読影業務に従事。その後、新たな進路を模索するため、老年医療や訪問医療、リハビリテーションなどを学ぶ。現在は、一周回って画像診断で母校に恩返しをする傍ら、医療事故の裁判では、患者に寄り添う代理人を、画像診断と医学知識の両面でサポートすることをライフワークとしている。

声帯ポリープとは

声帯ポリープとは

本章では、声帯ポリープについてその概要と、ほかの病気との違いを解説します。

声帯ポリープの概要と原因

声帯ポリープとは、声帯の粘膜表面にできる隆起性の病変です。これは大声を出すなど声の酷使によって声帯粘膜に炎症や出血が起こり、その部分が腫れて突起状に盛り上がったものです。片側の声帯に生じることが多く、男女問わず成人に発症します。声帯ポリープの大きな原因は声の酷使です。例えば、教師や保育士、アナウンサーなど、日常的に声を張り上げる職業の方は発症リスクが高いとされています。また、喫煙や飲酒などの生活習慣も喉の慢性的な炎症や刺激につながり、声帯ポリープの発生に関わるとされています。

ポリープ様声帯・結節との違い

声帯ポリープは、ポリープ様声帯や結節と異なります。それぞれとの違いについて解説します。ポリープ様声帯は、声帯全体がむくんで厚く腫れている状態です。声帯の振動が著しく阻害され、かすれた低い声になります。喫煙習慣などが原因になるとされています。

一方、声帯結節は声帯ポリープと同じく声の酷使で起こる良性病変ですが、声帯結節では声帯の表皮細胞が厚く硬くなっています。声帯結節は通常、声帯の左右両側のほぼ対称の位置に小さく生じる一方、声帯ポリープは多くの場合片側のみに発生しサイズも結節より大きく隆起しています。

声帯ポリープの主な治療法

声帯ポリープの主な治療法

声帯ポリープの治療法は大きく分けて保存療法と手術療法の二つがあります。本章ではそれぞれの治療法について詳しく説明します。

保存療法

保存療法とは、手術をせずに声帯ポリープを改善させる方法です。具体的には声の安静(沈黙療法)と薬物療法、発声指導などを組み合わせて行います。小さいポリープや発症して間もないポリープであれば、数週間から数ヶ月かけて沈黙療法など保存的治療を続けることでポリープが縮小・消失する可能性があります。数ヶ月間保存療法を続けても効果が乏しい場合や、声のかれが強く日常生活に支障をきたす場合には、主治医と相談のうえで手術を検討します。

手術療法

手術療法は、声帯ポリープを外科的に切除して治療する方法です。保存的アプローチで改善が見られない場合や、ポリープが大きく声の障害が重い場合、早期に声を改善する必要がある職業の方の場合などに選択されます。

配信元: Medical DOC

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