「声帯ポリープの治療法」は何があるかご存じですか?再発予防も医師が解説!

「声帯ポリープの治療法」は何があるかご存じですか?再発予防も医師が解説!

治療法の選択基準

治療法の選択基準

声帯ポリープの治療方針は患者さんのポリープの状態や置かれた状況によって決定されます。主にポリープの大きさ・位置と症状の程度や患者さんの職業が重要な判断材料になります。本章では治療法の選択基準について説明します。

ポリープの大きさ・位置による判断

ポリープのサイズが小さい場合や、発症して間もないポリープであれば、まずは保存療法で経過を見るのが一般的です。小さなポリープは声の安静や薬で炎症を抑えることで縮小し、自然消失する可能性があります。一方、ポリープが大きい場合は早めに手術で取り除くことが選択されることが多くなります。また、 位置によっても症状や治療方針が左右されます。声帯の振動する縁にあるポリープは声に与える影響が大きく、早期の手術適応となる傾向があります。逆に、声帯の上面など振動に影響しにくい場所に小さいポリープができた場合は、声への影響が少ないためしばらく様子を見ることもあります。

症状の程度と職業

声のかすれ具合や日常生活への支障の度合いも治療法選択の重要なポイントです。例えば、ポリープがあっても軽度の嗄声で日常会話にそれほど不便がない場合、患者さんが希望すればまず保存療法を試みることもあります。一方、声がれが強く会話も聞き取りづらい状態であれば、生活の質の面から早めに手術を選択します。また、患者さんの職業やライフスタイルも治療法の選択に影響します。例えば歌手や営業職など声を出すことが職業上不可欠な方にとって、嗄声が長引くことは仕事への支障が大きいため、保存療法で様子を見るよりも早期に手術で声を改善することがすすめられます。

手術を受ける場合の流れと注意点

手術を受ける場合の流れと注意点

声帯ポリープの手術を受けることになった場合、その具体的な流れと術後の注意点について事前に知っておくと安心です。ここでは、手術当日から術後経過、注意事項まで順を追って説明します。

手術方法

声帯ポリープの手術は主に全身麻酔下の顕微鏡手術で行われます。そして、喉頭鏡で声帯を露出させ、手術用の顕微鏡で声帯を拡大視しながらポリープを切除します。麻酔から覚めるまで含めても1時間程度の手術です。麻酔が効いているので手術中の痛みはありません。

入院期間・声の使用制限の期間

声帯ポリープ手術の入院期間は施設によって異なります。日帰り手術や1泊2日で退院できるケースもありますが、多くの病院では術後の経過観察と発声制限の管理のため数日〜1週間程度の入院となることが多いです。そして、手術後、声帯の傷が治るまで絶対安静の期間が設けられます。術後約1週間は一切声を出さないよう指示されます。

術後の経過と再発リスク

声帯ポリープ切除後、声帯粘膜が再生し傷が治ると、ポリープによる声のかすれはほぼ解消します。術後しばらくは傷の影響で声が出しにくかったり、以前と声質が少し変わったように感じることもあります。しかし、これは一時的なもので、適切な沈黙療法とリハビリを行えば、多くの患者さんで術前より明瞭で安定した声を取り戻せます。しかし、ポリープや結節ができた方は、たとえ手術で切除しても同じような生活習慣を続ければ再発しやすいことが知られています。

配信元: Medical DOC

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