でも私はこう思った
「私としては『こんなに綺麗な字を書くんだ?』とむしろ好感度が上がりましたし、ただただ嬉しかったんですよね。哲也は私のことをちゃんと好きだったんだ、と安心することができたので」沙也加さんが自分の名前が書かれた半紙を欲しがると、哲也さんは小躍りして喜んだそう。
「とにかく哲也は、筋トレでも書道でも、黙々と集中して自分と対峙(たいじ)するのが好きな人なんだなということが分かりました。哲也は今でもよく私の名前を書いてくれて、上手く書けると『更新できたから』と私にくれるんですよ」と微笑む沙也加さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

