「糖尿病」の治療や予防には、運動が不可欠です。そして、筋肉をつけることはインスリンの効きをよく良くする効果があるため、糖尿病対策にはとても大切です。そのため、「筋トレ後にプロテインを飲んでいる」という人も多いと思います。しかし、その一方で「プロテインは体に悪い」という声も耳にします。今回は、プロテインは腎臓や肝臓に負担がかかるのは本当かについて、「小暮医院」の小暮先生に聞いてみました。

監修医師:
小暮 晃一郎(小暮医院)
東京医科大学卒業。その後、西新井病院や関連病院などで経験を積む。2018年、群馬県桐生市に位置する「小暮医院」の副院長に就任。日本糖尿病学会専門医。
編集部
「糖尿病の人がプロテインを摂取するのは良くない」という意見を耳にすることもあります。これはなぜですか?
小暮先生
たしかに、プロテインは手軽にタンパク質を摂取できて便利です。しかし、その一方で肉など天然の食品とは異なり、人工的に作られたタンパク質であるため、過剰に摂取すると内臓に負担になるという考え方もあります。
編集部
具体的に、どのようなことですか?
小暮先生
例えば、大量にプロテインを摂ると、腎臓に大きな負担がかかることもあります。プロテインは体内でアミノ酸→アンモニアへと分解され、最終的に尿素と窒素になります。腎臓は尿素窒素などの老廃物を濾過し、取り除く働きをしています。そのため、プロテインを過剰に取って尿素窒素が増えると、腎臓に大きな負担となるのです。
編集部
ほかにも過剰にプロテインを摂取することで、どのような影響がありますか?
小暮先生
プロテインを過剰に摂取すると、体内では大量のアミノ酸が作られます。しかし、使いきれなかったアミノ酸は最終的に糖(グルコース)や脂肪の合成に使われ、肝臓に貯蔵されてしまいます。現在は「NASH(非アルコール性脂肪肝炎)」の人が増えていますが、この背景の1つとして「プロテインの過剰摂取が関連しているのではないか」ということも指摘されています。ちなみに、最近ではNASHを「MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)」と呼ぶようになっています。
編集部
肝臓にも影響を及ぼすのですね。
小暮先生
そのほか、プロテインは体内で分解される過程でアンモニアに変わります。アンモニアは体内にとって有害な物質であるため、それを無毒化して尿素に変え、体の外へ排出する必要があります。その際、無毒化の働きを担っているのは肝臓です。たくさんプロテインを摂ると肝臓に負担がかかると言われているのはそのためです。
※この記事はMedical DOCにて<「糖尿病予備軍」がプロテインを飲むべき理由はご存じですか? 飲む際の注意点も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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