軽度認知障害の代表的な症状や特徴
MCIの代表的な症状としては以下のようなものが挙げられます。こうした症状があっても、日常生活動作は自立しています。
物忘れが増える
MCIでは、記憶障害が初期の段階から起こりやすいです。新たなことを覚えることが苦手になる場合もあります。最近の出来事を思い出せない、同じ話を何度もしてしまうといった記憶障害が現れます。ただし、日付や人の名前など一部を忘れる程度で、ヒントがあれば思い出せるのが特徴です。
対応としては、メモを取る、予定をカレンダーで管理するなど、生活の工夫が有効です。もの忘れ外来や神経内科、精神科などで検査が可能です。
注意力や集中力、判断力の低下がみられる
以前より、物事に対する注意力や集中力が低下することも症状としてみられます。複数の作業を同時に行うことが苦手になったり、買い物で計算間違いをしたりするなど、判断力の低下が見られます。
交通場面での判断ミスが増える場合もあり注意が必要です。
普段の生活で金銭管理や運転などに不安を感じた場合は、早めの相談が望まれます。
計画をたてて物事を進めることが苦手になる
MCIでは、遂行(すいこう)障害がみられることもあります。例えば、自分で計画を立ててものごとを実行することが難しくなる、人の指示を受けなければ何もできない、などの症状が現れます。
軽度認知障害の前兆となる初期症状
先に述べたようなMCIの症状が明確になる前に、以下のような症状が前兆として現れることがあります。気になる症状があるときには、物忘れ外来や脳神経内科外来などを受診しましょう。
うっかりミスが増える
記憶障害や注意障害の症状として、ものの置き忘れや、支払うべき公共料金の請求を忘れるなどのうっかりミスが増えることがあります。
約束を忘れる
記憶力の低下が、約束を忘れてしまうという形で現れることもあります。加齢による「ど忘れ」との違いは、「思い出せないままになってしまう」点です。
適切な言葉が出てこなくなる
言語障害の症状がみられることもあります。言葉を思い出すあるいは呼びます喚語(かんご)が困難になることや、言葉の理解ができなくなるといった症状です。知っているはずの単語や人の名前がすぐに出てこない「語想起障害」が現れることもあります。
会話中に「あれ」「それ」といった指示語が増えるのもサインの一つです。

