しわの原因や対策は、年代によって異なることをご存知ですか? この記事では、年代別のしわ予防の方法をわかりやすく解説します。しわができるメカニズムや予防する上での注意点を含めて、「銀座S美容・形成外科クリニック」の矢沢先生に詳しく教えていただきました。

監修医師:
矢沢 慶史(銀座S美容・形成外科クリニック)
東京慈恵会医科大学医学部卒業。その後、けいゆう病院、北里大学北里研究所病院、北里大学病院、上尾中央総合病院などで形成外科・美容外科医として経験を積む。2016年より、東京都中央区に位置する「銀座S美容・形成外科クリニック」に勤務。日本形成外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本美容外科学会(JSAS)専門医。
しわができるメカニズムとしわの種類
編集部
なぜ、しわはできるのでしょうか?
矢沢 先生
肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンの減少、乾燥、紫外線などが影響して、しわが出てきます。そのほか、表情のくせや加齢による筋肉・皮膚の変化も原因となり、年齢とともに目立ちやすくなるという特徴があります。
編集部
しわには種類があるのですか?
矢沢 先生
はい、大きく分けて「乾燥じわ」「表情じわ」「たるみじわ」があります。乾燥じわは、肌の水分不足によってできる細かく浅いしわで、特に目元や口元にできやすいとされています。また、表情じわは、笑ったり眉をひそめたりする表情のくせによって同じ場所にできるしわのことです。他方、たるみじわは、加齢などで肌のハリや筋力が低下し、皮膚がゆるむことで深く刻まれるしわのことを言います。
編集部
紫外線もしわの原因になるのですか?
矢沢 先生
紫外線は肌の奥にダメージを与えてコラーゲンを壊すため、しわの大きな原因になります。このような紫外線による肌の老化は「光老化」と呼ばれますが、加齢による自然な老化とは異なり、予防が可能です。季節を問わず紫外線対策をおこなうことが重要で、日焼け止めの使用や帽子・サングラスの活用が効果的です。
編集部
加齢によるしわと生活習慣の関係は?
矢沢 先生
睡眠不足、喫煙、ストレス、偏った食事なども肌の老化を早め、しわを深くします。生活習慣を整えることで、肌の老化スピードを遅らせることができます。また、年代別に肌の状態は異なるので、それぞれの年代に即したしわの予防策が必要になります。
40~50代のしわ対策
編集部
一般に、40代になるとしわが増え始めると聞きます。
矢沢 先生
そうですね。40代以降は肌の水分保持力や弾力が急激に低下しやすく、特にたるみじわが目立ち始めます。また、女性はホルモンバランスの変化によって肌の状態が不安定になるため、一般にしわが深くなりやすい時期とされています。
編集部
40代におすすめのケアはなんですか?
矢沢 先生
保湿に加えて、レチノールやビタミンC誘導体、ペプチドなどの成分を取り入れたエイジングケアが効果的です。また、肌に負担をかけないクレンジングや紫外線対策を続けていくことも大切です。
編集部
美容医療での治療には、どのような方法がありますか?
矢沢 先生
ヒアルロン酸注射やボトックス注射のほかに、高周波治療、光治療、レーザー治療、HIFU(ハイフ)治療などの方法もあります。これらの治療を複合的におこなうことで、深くなったしわにアプローチしつつ、肌のハリや透明感を高める効果も期待できます。医師と相談して選びましょう。
編集部
自宅でできるケアだと、どうしても限界があるのでしょうか?
矢沢 先生
保湿や紫外線対策を入念におこなったり、栄養や睡眠など基本的な生活を整えたりするだけでも、老化スピードを遅らせることは可能です。ただし、いったん深くなってしまったしわに対しては、セルフケアだけでは限界があるでしょう。その場合には、しわ治療に力を入れている医療機関に相談してほしいと思います。

