社会問題化した「メイクする・しない」問題
現在、X(旧Twitter)上で女性の「メイクをするかしないか」をめぐる議論が白熱し、連日Xのトレンドワードに関連する投稿が多数見られるほど大きな話題を呼んでいます。これは単なる美容の話題に留まらず、女性の社会的な「義務」や「自由」に関わる根深い問題として、大きな波紋を呼んでいます。
議論の火付け役となったのは、10月17日に投稿されたあるポストでした。あるユーザーの「化粧好きな人って化粧っけない人のことナチュラルに見下してんだろうなってのがよくわかる」という率直な意見を表明したポストが起点となり、この投稿は瞬く間に5万4千以上のいいね、1300万View超という爆発的な拡散力を見せました。
これに連鎖したのは、ノーメイク派の代弁ともいえる別のユーザーによる引用ポストです。同氏は「なぜ女に生まれただけで化粧しないと変な目で見られたり非常識だという扱いを受けるんですか? 男の身だしなみ=ヒゲ剃り髪セット歯磨き等の最低限の清潔感で許されるの何」と、女性特有の不公平感を訴えかけ、3万3千近いいいねを獲得しました。
この二つの投稿が軸となり、それまで9月頃から散発的に見られた、メイクによる外見の変化(垢抜け)の是非をめぐる議論を一気にヒートアップさせました。背景には、2025年にナチュラルメイクや肌への負担を減らす「自然派美容」のトレンドが広がる一方、社会の対面機会増加が重なったことで、「メイクはどこまで必要か」という問いが改めて生まれたことがあります。関連ポストは数百件に及び、#メイク自由 などのハッシュタグも自然発生。Xのアルゴリズムに乗って拡散し、収束の兆しは見えていません。
「自分のため」か「誰かのため」か…三者三様の主張
議論は大きく「メイク派」「ノーメイク派」「中立・身だしなみ派」の三つの主張に分類されますが、その根底には「自己表現 vs 強制」「誰のためのメイクか」という対立軸が存在します。
