中立・身だしなみ派:「TPOマナー」としての最低限の必要性
中立派は、メイクを個人の自由と認めつつも、「人に不快感を与えないマナー」としての側面を重視します。個人の自由を尊重しつつも、「社会的なマナーとして化粧が一般的。したくない人でも手抜き扱いされる」といった、社会規範と個人の自由との間で揺れる現実を指摘する声も多く見られました。ルッキズム批判を高めつつも、職場などTPOに応じた最低限の整えは必要不可欠という立場です。
女性の自由と義務をめぐる議論は続く
この議論は非常に関心を集めており、関連ポストの総いいね数は累計10万件超を記録しています。ポジティブな反響として、多様性尊重や互いの「体験の差を理解」しようという建設的な意見交換が増加しています。
一方で、「ブス」「変な奴」といった過激な言葉を使った誹謗中傷も少数ながら発生しており、ノーメイク派のあるユーザーが「病院受付で投書され(ノーメイクであることを)名指しで批判された」というメンタルヘルスに関わる実体験の共有もされています。また、メイク派のあるユーザーによる「明確な信念や理由がないのであれば、不満を訴えるべきではない」といった、対立を助長するような強い言葉も見られました。
この議論は、現在はSNSの中で起こっているものですが、就活や職場のマナー論へ発展するなど、女性の選択肢拡大に寄与しています。この一連の議論は、女性に課されてきた「メイクの義務」からの解放と、「自己決定権の尊重」という、根深いジェンダー規範の課題を浮き彫りにしました。今後の社会や美容業界の動向に大きな影響を与えることが予想されます。
(足立むさし)
