完全な下ネタにドン引き
「夫婦ってさ、どんなに仲良くても『満たされないな』って思うことあるよね?りかこちゃんもそうでしょ?」
私は黙って聞いていました。話が、もう戻ってこないところに行きそうだって直感で分かったから。
「…でさ、夜の方どう? 旦那さんとちゃんと満たされてる?正直さ、りかこちゃんくらいの年齢って一番そういう欲求ある時でしょ?」
もう、その瞬間、頭の中が真っ白になりました。「夜の方」って、完全な下ネタ。しかもそれを既婚かつパートより立場が上の社員が言ってくるなんて、どうかしています。
「宮田さん、そういう話はしたくないです」
か細い声で、そう言うのが精一杯でした。そのときほかのパートさんが休憩のために部屋に入ってきてくれて、その話が続くことはありませんでした。
今考えると、私がその時、もっと強く「セクハラですよ!」って言えていたら、展開は変わったかもしれない。でも、あの時の私は、ただただ平静を装うことで、この嫌な状況をやり過ごしたかっただけなんです。
あとがき:一線を越えた質問と、私の鈍感さ
「デリカシーのない質問」は、ハラスメントの始まりを告げる合図です。夫婦関係や性的な話題にまで踏み込む彼の言動に対し、りかこが感じた「事なかれ主義」の葛藤は、多くの方が経験するかもしれません。あの時、もっと強く「ノー」と言えていたら…という後悔は、自分を責める必要はありませんが、初期段階での明確な抵抗が、いかに重要かを教えてくれます。自分の心の境界線は、断固として守り抜くべきものです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

