呼吸機能検査の結果の見方はご存じですか?呼吸機能検査の測定方法や疑われる病気・対処法について解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
肺の健康状態を測る呼吸機能検査とは?
呼吸機能検査は、肺の健康状態を調べることを目的とした生理検査の代表的なものの一つです。今回の記事では、呼吸機能検査の方法や項目、数値の基準値、結果の見方、さらにどのような病気がわかるのかについて解説していきます。
呼吸機能検査の測定方法
呼吸機能検査は、肺機能検査とほぼ同じ意味です。その中でも最も基本的なものが、スパイロメトリーという検査方法です。この検査はスパイロメータという測定装置で計測します。
測定方法の実際は、以下のようになります。検査を受ける方の安全確保のため、基本的には座った姿勢で検査を行います。
1.マウスピースをくわえる
2.鼻をノーズクリップでつまむ
3.検査技師の合図に合わせて、息を吸い込む
4.できるだけ速く、苦しくても限界になるまで息を吐き出す
記録装置により、吸い込んだ空気の量と吐き出した空気の量、1回毎の呼吸の長さが記録されます。結果のぶれをなくすため、何度か測定を繰り返します。スパイロメトリーは比較的低リスクの検査ですが、検査を受ける際にできる限り多くの息を吐くことが求められます。そのため、不安定狭心症や心筋梗塞などの心臓の問題がある方や、気胸や胸部の手術後の方には注意が必要です。重症高血圧の方や過去半年以内に脳卒中や心臓発作があった方、過去一ヶ月以内の手術を受けた方や気胸になった方、不安定な動脈瘤がある方、緑内障の方などは禁忌となる場合があります。

