胃がんの原因
ここでは胃がんのリスクを上昇させる原因を説明します。まずは胃がんの原因になるものを理解して、対策ができるようにしましょう。
ピロリ菌の感染
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は胃の酸を中和しながら胃に住み着く細菌です。感染陽性者の胃がんリスクは、陰性者の5.1倍と言われています。ピロリ菌によって胃の粘膜に炎症が起こり、萎縮性(いしゅくせい)胃炎を起こします。この萎縮性胃炎が進むと胃がんの発生要因になります。
塩分の多い食事
世界保健機関(WHO)や日本人を対象とした多くの研究で塩分の多い食事が胃がんリスクであることが示唆されています。塩分の多い食事で胃炎が起こると、発がん物質の影響が出やすくなり、またヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)という細菌の感染も起こりやすくなることが知られています。特に、日本人に馴染みのある味噌汁や漬物、魚卵、魚、塩辛などの食品には多くの塩分が含まれており、食べる頻度には注意が必要です。
喫煙
喫煙によって胃がんのリスクが1.6倍上昇すると言われています。喫煙は肺がんを始め、喉頭がんや食道がん、膵臓がんなど、さまざまながんの危険因子です。また受動喫煙によって喫煙者本人だけでなく、まわりの人のリスクも上がってしまいます。
過度の飲酒
日本人男性において、1日一合以上の飲酒(エタノール摂取量として1日23 g以上の飲酒)が胃がん罹患リスクを有意に高めることがわかっています。エタノール摂取量23gは、缶ビール500 mL 1本または日本酒1合に相当します。それ以上の飲酒は胃がんの原因になる可能性があります。
すぐに病院へ行くべき「胃がんの手遅れとなる自覚症状」
ここまでは胃がんの手遅れとなる自覚症状などを紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
黒色の便が出る場合は、消化器科へ
黒色便は胃や十二指腸などの消化管からの出血を示唆します。胃がんや胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの可能性があります。腹部のCT検査や胃カメラや大腸カメラができる大きな病院を受診しましょう。
受診・予防の目安となる「胃がん」のセルフチェック法
・ふらつきや立ちくらみなどの貧血症状がある場合
・黒色便の症状がある場合

