
「ヤンキー悪役令嬢 転生天下唯我独尊」(ヴァルキリーコミックス)や、「全てを筋肉で解決する童話」(双葉社)などの作品がある赤信号わたる(@GoAkashin)さんのオリジナル作品「ヒミコ様は女子高生」。この作品はタイトルの通り、邪馬台国の女王として知られる卑弥呼が、現代の女子高生「天野ヒミコ」に転生したという設定で描かれている。前世では吉凶を占う巫女として擁立された彼女だが、現世では等身大の女の子としての人生を謳歌することを決意。だが、いかんせん一国の女王として生きてきたヒミコは、うっかり鬼道と呼ばれる呪術を使ってしまいがち。「凄ノ男(スサノヲ)~!」「天照らすぞ~?」と独特過ぎるリアクションを交えながら、意中の男子「山戸タケル」を振り向かせようと奮闘するコメディシリーズだ。作者の赤信号わたるさんに制作背景を取材した。
■卑弥呼が、現代で青春を取り戻す!!



本作「ヒミコ様は女子高生」の着想について、作者の赤信号わたるさんは「卑弥呼という女性は日本人なら誰もが知っている存在ですが、出生や経歴があまりにも謎に包まれていて、ドラマなどでは扱いづらい面がある」と話す。一方で、「だからこそ、女子高生に転生させることで新しいストーリーが描けると思いました」と語り、現代転生という大胆な設定に込めた意図を明かしてくれた。
キャラクターづくりに関しては、「卑弥呼という人物は実像がわからないので、どうしても想像で膨らませるしかなかった」と話す赤信号さん。そのうえで、「混迷の時代に周囲からシンボル的に祭り上げられた存在だったのではないか」と考えたことが、キャラ設定の出発点になったという。「そうでなくても、相当な苦労をした人物であることは間違いないと思うので、もし現代に転生したら、その反動でめちゃくちゃ青春を謳歌しようとするだろうなと考えました」と語るように、歴史的背景と現代的な感情を掛け合わせたことで、読者がすんなり受け入れられるキャラクターが形づくられていった。
さらに、物語の方向性について赤信号さんは「卑弥呼は普通の青春に憧れを抱いているので、作中で起こるイベントは基本的には王道展開にしようと思いました」と語る。ただし、「古代の感覚を引きずっているので、結果的に変な行動に走ってしまうというお話ですね」とも話しており、王道の中にも独特のズレやギャップを織り込むことで、キャラクターの魅力と物語のテンポを生み出している。
本作の魅力は、時代も常識も飛び越えて自分らしく生きることの痛快さを描いているところにある。ぜひ一度読んでみてほしい。
取材協力:赤信号わたる(@GoAkashin)
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