エンジン分解に挑戦! 想像以上のリアルな体験に親子で大興奮
体験講座のはじまりは、エンジンの仕組みを学ぶ座学から。 「そもそもエンジンってどう動いてるの?」という素朴な疑問に対して、図解や写真を交えながらていねいにレクチャーしてくれます。

小学生にはちょっと難しいかな……と思っていたけれど、日頃からパパとクルマのエンジンの話をしている息子は、もしかしたら筆者よりも理解していたのかも。説明を聞く姿も真剣そのもので、「あ、それ知ってる!」なんてつぶやく場面も。親のほうが「へぇ〜」と感心してしまう、そんな頼もしい瞬間でした。
エンジンの仕組みをひと通り学んだら、いよいよ待ちに待った分解の時間。

今回の教材は、スバル製の軽自動車のエンジン。構造が比較的シンプルで、分解実習にはうってつけなのだそうです。
とはいえ、目の前に現れたむき出しのエンジンは、金属の迷路のようにパーツがぎっしり詰まっていて、見れば見るほど複雑そう。隣に立つ息子も「これ、ほんとに分解できるの?」と、不安と好奇心が入り混じった表情で眺めていました。
そんな息子に、学生さんが一つひとつていねいに手順を教えてくれながら、分解作業がスタート。

工具なんて普段は持つことのない息子ですが、いざ始めてみると、驚くほど手際よく作業を進めます。
……ん? これはもしや、整備士の素質ありかも⁉

黒いヘッドカバーを外すと、そこに現れたのは、ぎっしり並んだ10本のボルト。

まるで「ここからが本番だ!」と言わんばかりの難所が、静かに待ち構えていました。
さすがに途中で「手、ちょっと痛いかも……」とつぶやいた息子。

でも「替わろうか?」と聞くと、「ううん、大丈夫」と言って、最後まで黙々と手を動かし続けました。きっと“本物のエンジン”との出会いが、息子の心にそっと火をつけたんでしょうね。本物の力、恐るべし!
そしてタコの脚のように複雑に絡み合った上部のパーツを取り外すと、クルマが走るための動力を生み出す、まさにエンジンの心臓部とも言われる場所が顔を出しました!

こちらの筒状の空間の内部に収まっているのは、上下に動くピストン。その動きが、吸入→圧縮→燃焼→排気という流れを生み出し、クルマを動かす力へと変わっていくんですって。

エンジンの吸引力を体感するために、新聞紙をかぶせての実験にチャレンジ。

手動でピストンを勢いよく動かした瞬間、新聞紙がパーン!と破れるほどの吸引力にビックリ。「え、こんなに吸うんだ……!」と家族3人で顔を見合わせて笑った瞬間でした。
バラバラになったエンジンは果たして元通りに⁉ 手探りで挑む組み立て体験
お昼休憩をはさんで、後半戦に突入。午前中にバラバラにしたエンジンを、今度は元通りに組み立てていきます。果たして、うまくいくのでしょうか……⁉

学生さんに細かく指示をいただきながら、作業に取り組む息子。
エンジンの組み立てでは、「ボルトの締め方」にもちゃんとルールがあるんだとか。ただ力任せに締めればいいわけではなく、締める順番や力加減がとても重要なんですって。

誰が使っても同じ力で締められる専用の工具があると知って、思わず「すごい……!」と感心してしまいました。工具の世界って、想像以上に奥が深いんですね。
組み立てが終わったエンジンは、きちんと動くかどうかを確かめるために、専用の装置につないで単体で動作確認を行います。

息子は、前のお子さんがテストしている様子をじっと見つめていました。前のお子さんのエンジンが動き出した瞬間、ドドドドッ!と響き渡る轟音に、思わず肩をすくめてビックリ。あまりの迫力に「えっ、こんな音がするの!?」と、かなり不安そうな表情。
それでも順番が回ってくると、意を決してスイッチをオン。スイッチを押したその足で、できるだけ遠くへ猛ダッシュします!

すると……自分のエンジンも無事に始動! ドドドドッと同じ音が鳴り響く中、息子は「ちゃんと動いた!」とホッとしたような笑顔を見せてくれました。
音の迫力に圧倒されつつも、ビビリな息子のリアクションには思わず笑ってしまった、なんとも微笑ましいひとコマ。むき出しのエンジン音を耳にするなんて、日常ではめったにできない体験ですよね。
ちなみに今回使われていたのは軽自動車のエンジンだったので、音もまだ控えめだったそうで、クルマが大きくなるほど響き渡る轟音もケタ違いなんだとか。ちょっと怖いけど聞いてみたいような……そんな気持ちになりました。
