
和田琢磨が主演、染谷俊之と廣野凌大が共演するドラマ『gift(ギフト)』が、TOKYO MX(毎週水曜夜10:30~11:00)、BS日テレ(毎週水曜夜11:00~11:30)で放送されている。同作は、和田と染谷がW主演を務めたドラマ・舞台の連動作品「Solliev0(ソッリエーヴォ)」(2024年)のスタッフが再び集結して放つ第2弾作品。和田、染谷、廣野の3人に見どころなどを聞いた。

■特殊能力をテーマとした異色の刑事ドラマ
──まずはドラマの概要を教えてください。
和田:刑事ドラマです。われわれ3人は刑事役で、特殊能力を使った犯罪を取り締まる特殊犯罪課、通称・特犯課に所属しています。と同時に、実はわれわれも特殊能力を持っていて、それを「gift」と呼んでいます。私が演じる秋葉浩太(アキバコウタ)は、上司も後輩もいるちょうど中間・中堅の刑事。正義感が強く、自分の信念の元に特殊犯罪に立ち向かっていたんですが、ある時、染ちゃん(染谷)演じる夏目 奏(ナツメカナデ)が特犯課に来たことで、「自分の理想や正義とは何なのか?」を改めて見つめ直すことになります。持っている特殊能力は「声」。そこに秘密がありますが、それ以上はネタバレになってしまうので見てのお楽しみで。
染谷:夏目は警視庁捜査二課のエースだったんですが、ちょっと訳があって特犯課に異動してくることになりました。いつも手に包帯を巻いているんですが、それが僕の持っている特殊能力に関係しています。夏目はなぜ自分に特殊能力があるのか分からなかったんですが、特犯課に来たことで同じような能力を持っている人がいることを知ります。それによって物語が動き始めていきます。
廣野:僕は柚原隼人(ユズハラハヤト)という特犯課の嘱託職員の役です。どちらかというと現場には出ず、デスクワークを中心に担っています。なのでけっこうフットワークが軽いというか、責任があまりない立場なので、好き勝手に行動しています。
──3人は前作の「Solliev0」にも出演されましたが、そのスタッフが再び集まって新たなドラマを作ると聞いたときはどう思いましたか?
和田:原作がない作品で第2弾が作られることがすごくうれしかったです。ましてや「Solliev0」の続編ではないオリジナル作品を、また同じ仲間と一緒にやれる。まさに期待に胸が膨らむお話でした。
染谷:自分たちがいくらやりたいと熱望しても、望まれなかったらできないことですし、逆に製作関係者や視聴者の方々に満足してもらっても僕たち自身が手応えを感じていなかったらやらないという選択肢もあったと思います。その両方がかみ合ったからこそ、こうして第2弾をやらせていただけることになったのでとてもうれしいです。
廣野:2人の意見に激しく同意です。あとは「Solliev0」の続編ではないんですが、親和性のあるシェアード・ユニバース作品(異なる複数の作品が同じ世界観や設定を共有し、物語やキャラクターが相互に影響し合う“共有世界”を指す)というところが興味深いなと思いました。僕自身、シェアード・ユニバースは初めてだったんですが、前作を気にしなくていいという反面、でも多少は前の世界観も残さなければいけないという、すごく不思議な感覚でお芝居をさせてもらえてとても楽しかったです。

■3人それぞれのアクションシーンも見どころ

──今回はそれぞれオリジナルキャラクターですが、役作りで意識したところは?
和田:秋葉は昔ある出来事があって、それが心の根底にずっと引っ掛かっています。その点は「Solliev0」で演じた天月冬真と少し似ている部分だと思います。どんな作品にも関わらずドラマでは、何も問題がなくていつもニコニコしている人物より、少し影がある人物の方が魅力的に映るので、そのあたりは意識して演じました。
染谷:僕もけっこう謎が多い役です。なので前もってガチガチにキャラクターを決めるのではなく、今回は台本のシナリオにあえて流されるように工夫しました。
廣野:柚原は普段から何を考えているのか分からないヤツなので、ミステリアスに演じようと思いました。表情もわりと常にニヤニヤしているんですが、目の奥は笑っていない。かと思えば、本当に笑っているときもあって、見ている方に「この笑いはどっちなんだろう?」と考えさせられればと思いました。
──撮影はすべて終わっているそうですが、印象に残っているシーンなどはありますか?
和田:刑事ドラマではあるんですが、派手なアクションというよりは、どちらかというと警察内部のあまり表に出ていない部分というか、アンダーグラウンドな部分にフィーチャーした作品です。なので撮影はあまり明るくない場所が多くて、全体的に埃っぽかったのが印象に残っています(笑)。
染谷:僕はアクションシーンが印象的でしたね。「Solliev0」のときは一切なかったので、ようやく見せる場が来たと思いました(笑)。アクションに関してはけっこう頑張ったので、ぜひ注目してほしいです。
廣野:3人ともそれぞれアクションの見せ場があります。僕は第1話や第4話に……ばらしても面白くないので、最初から目を離さずに見てください。
和田:ビーム光線を出したり、ビルを破壊したりというような派手なアクションはないですが、肉弾戦で犯人を捕獲するようなシーンは見どころの1つですね。

■「もしも特殊能力が使えたら?」三者三様の答えで盛り上がる

──3人がそれぞれどんな特殊能力を持っているのかは作品を見てのお楽しみですが、実際に1つ持てるとしたらどんな能力が欲しいですか?
廣野:ギャンブルが好きなんですよ。なのでパチンコで何回転後に当たるのか、競馬でどの馬に賭けたらいいのかを察知できる能力があったらいいですね。ちょっとリアル過ぎますかね? であれば、勘が鋭くなるような能力ということで(笑)。
染谷:僕も未来予知ですね。そんな能力があったら、災害も未然に防げるじゃないですか。(廣野に)俺ってめっちゃいいヤツでしょ?
廣野:あざとい! ギャンブルに使うって言った自分が恥ずかしいじゃないですか(苦笑)。
染谷:でも災害が起こると予知しても、きっと誰も信じてくれないと思う。そこが難しいところだよね。
和田:染ちゃん、今日は真面目だね(笑)。僕は空を飛んでみたいかな。「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014年・アメリカ)という映画があって、すごく好きなんですよ。それを見て、空を飛ぶことに憧れました。どこか特別な場所に行きたいというよりは、日常生活に大いに役立てたいですね。
廣野:でも隣に飛行機が飛んでいたら危険だし、面倒くさそうじゃないですか?
染谷:そんな上空を飛ぶの? 息ができなくなるよ。
和田:うん、ドローンくらいの高さで十分だよ。
廣野:そんなに低いんですか? だったら僕は興味ないかな(笑)。
(後編に続く)
取材・文=河合哲治郎

