乳がんを疑う脇のしこりの特徴とは?メディカルドック監修医が脇のしこりはどの辺りにできるか・症状・予防法や早期発見するためのポイント・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
山田 美紀(医師)
慶應義塾大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、総合病院や大学病院にて形成外科、外科、乳腺外科の研鑽を積んできた。医学博士。日本外科学会 外科専門医、日本乳癌学会 乳腺認定医、検診マンモグラフィー読影認定医(A判定)の資格を有する。
「乳がん」とは?
乳がんは乳腺に発生する悪性腫瘍です。女性が罹るがんの中で最も頻度が高く、日本では約9人に1人が乳がんになるというデータがあります。乳がん検診で発見されるケースや胸の硬いしこりなどの症状をきっかけに見つかります。乳がんの状態が悪化すると、リンパの流れに乗って、まず脇のリンパ節に広がります。これを転移と言います。脇のリンパ節への転移によってリンパ節が徐々に硬く、大きくなり、脇のしこりの症状が出る方もいます。
乳がんを疑う脇のしこりの特徴
リンパ節の腫れは風邪などの感染症や免疫低下など様々な原因で起こる症状です。一方で、乳がんなどの悪性腫瘍のリンパ節への転移が原因のこともあり、注意が必要です。乳がんを疑う脇のしこりの特徴をご紹介します。
数週間以上続く脇のしこり
乳がんによる脇のしこりは数週間や数ヶ月に渡って徐々に大きくなり、長期間その症状が続きます。一方で感染症によるリンパ節の腫れは数日間で改善し、気にならなくなることが多いです。一方、数週間以上脇のしこりが良くならない場合は、悪性腫瘍の可能性があるため、医療機関に相談しましょう。
硬いしこりがある
脇のしこりが、リンパ節に乳がんが及んだ場合、通常のリンパ節よりも硬く触れることが多いです。また、触れて痛いことはあまり多くありません。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
しこりの動きが悪い
乳がんの進行に伴う脇のしこりは、触っても動きが悪いと感じられることがあります。これは乳がんが悪化し、がん細胞がリンパ節の周りの組織に浸潤することでリンパ節が周囲に固定されることによります。こうした変化がある場合には、乳がんが原因となっている可能性も考えられるため、早めに医療機関に相談しましょう。
片側だけに出ることが多い
乳がんのリンパ節転移による脇のしこりは、がんができた側(右または左)の脇に限ってできることがほとんどです。両側同時にしこりがある場合は、感染や炎症に反応してリンパ節が大きくなっていると考えられます。片側の脇だけにしこりが続く場合は、早めに受診をしましょう。

