乳がんを発症すると脇のどの辺りにしこりができる?
乳がんによる脇のしこりができやすい位置はどこかについてご紹介します。
脇のくぼみの中央
乳がんが脇のリンパ節に転移すると、最初にしこりができるのが脇の窪みの中央あたりです。胸の前面を覆う大きな扇形の筋肉である、大胸筋の外側の脂肪の中にあるリンパ節を触れます。
脇のくぼみの奥
脇のリンパ節で次に転移しやすいのが、大胸筋や小胸筋のリンパ節です。脇のくぼみの奥の方に触れることで、リンパ節転移に気づくケースもみられます。なお、小胸筋(しょうきょうきん)は、大胸筋の奥にある、肋骨と肩甲骨をつなぐ小さな筋肉です。深い場所にあるのでしこりに気がつくことは少ないでしょう。超音波検査などの画像検査で発見されることが多いです。
鎖骨の下
さらに乳がんの脇のリンパ節転移が広がっていくと、大胸筋の内側のリンパ節に転移します。鎖骨の下あたり、脇のさらに上の方にコリッとしたしこりに気がつくことがあります。
乳がんの代表的な症状
乳がんになった場合、脇のしこりに気がつく前に、様々な乳房の症状が出る可能性があります。気になることがあれば、なるべく早く受診をしましょう。
乳房のしこりを触れる
乳がんに気がつくきっかけとして最も多いのが乳房のしこりを触れることです。線維腺腫などの乳腺の良性腫瘍でも胸の中に硬さやしこりの症状を自覚する場合があります。乳がんによるしこりは、硬く、可動性がないという特徴があります。また、痛みを伴うことは少ないです。自分で乳房を触ってしこりを見つけた場合は、早めに乳腺科を受診しましょう。
乳頭から血性分泌物がある
乳がんの症状として乳頭から茶色や赤色の分泌物が出てくる事があります。下着が汚れて気がつく方もいます。乳頭には母乳の通り道である乳管がたくさん集まっており、乳管の中に腫瘤がある場合にこのような症状が出ます。乳管内乳頭腫という良性腫瘍でも同様の症状が起こる事があります。症状がある場合は、乳がんの可能性もあるため、早めに乳腺科を受診しましょう。
乳房の見た目が変わる
乳がんが悪化し増大すると乳房の変形を自覚する事があります。乳房の左右差、今までになかった乳頭の陥没、乳房皮膚のエクボのような凹みに気がつく事があります。これは乳がんの状態が進むにつれ、周りの組織に浸潤することでひきつれが起こるためです。さらに乳がんの状態が悪化すると、乳がんが皮膚に顔を出し、皮膚が赤くただれて潰瘍ができることもあります。症状がある場合は、乳癌の可能性が高いため、早めに乳腺科を受診しましょう。

