季節の変わり目に体調を崩す子どもが心配。対策や効果的な予防方法を知りたい!そんな悩みについて、今回はなかざわ腎泌尿器科クリニック院長、中澤佑介先生にお答えいただきました。

季節の変わり目、子どもを守るやさしいガイド
今日からできることだけギュッと
季節が変わると、朝晩の寒暖差や空気の乾燥で、子どもは体調を崩しやすくなります。ここでは、むずかしい言葉をできるだけ使わずに、「家でできること」と「受診のめやす」をわかりやすくまとめました。日々の生活のなかでご活用ください。
1.なぜ体調を崩しやすの?
体調を崩しやすい原因は下記のようなものがあります。気を付けるようにしましょう。
気温のアップダウン:体がびっくりして、眠りや食欲が乱れやすくなります。
空気が乾く:鼻やのどの守りが弱くなり、ウイルスが広がりやすい。
人が集まる:園や学校、室内あそびで、うつる病気が広がりやすい。
2.今日からできる予防(むずかしくない順)
毎日の生活で取り入れやすいものを順に記載しました。できるだけ多くを取り入れてみましょう。
手洗い:帰宅後・食事の前後・トイレやおむつ替えのあと。水だけで15秒こすると手のばい菌は約1/100に。石けんで10秒こすって15秒すすぐと約1/10,000まで減らせます。
ちょこちょこ換気:部屋の対角線上の窓を少し開けて、1時間に数分、何回か。
湿度キープ:湿度計で40〜60%を目安(加湿しすぎ・乾燥しすぎを防ぐ)。
服装:薄手を重ね着。汗をかいたら早めに着替える。
生活リズム:寝る・起きる時間をそろえる。熱や下痢のときはこまめに水分、経口補水液も◎。
3.この時期に多い病気と「おうちのコツ」
○インフルエンザ
6か月以上の子はワクチンがおすすめ。小さな子は2回打つと効きめが上がるとされています。
予防はセットで:手洗い・換気・咳エチケット。
○RSウイルス(RSV)
赤ちゃんの咳・ゼーゼーの原因になることがあります。
ふだんは手洗い・おもちゃのふき取り・咳エチケットが基本。
早産や持病があるなど重症化しやすい子は、季節に合わせた抗体の注射やワクチンの選択肢も。主治医に相談を。
○手足口病
たいていは軽くすむ病気。登園の判断は全身の元気さ(熱、水分・食事がとれるか)で。
タオル共用は×。トイレ・おむつ替え後はていねい手洗い。
○ノロなどの胃腸炎
ほんの少しのウイルスでもうつります。
吐いたもの・便の片づけ手順:
1)手袋・マスク 2)紙で拭き取る(外から内へ) 3)塩素系漂白剤でふく 4)最後に石けんで手洗い
何度も手を洗うのがいちばん効きます。

4.こんなときは受診・相談を
下記のような症状がでたときは、早めに医師に相談をしてください。
●生後3か月未満で38.0℃以上の発熱
●ぐったりして反応が弱い/呼吸が苦しそう(肩で息をする・唇が紫っぽい)
●吐いてばかりで水分がとれない/おしっこが極端に少ない
●けいれんが続く/顔色がとても悪い
●迷ったら#8000(小児救急電話相談)やかかりつけへ(地域で番号が違う場合あり)。
5.続けやすくする「しかけ」
お子さんが毎日のルーティンにしやすくなる仕掛けも織り込みましょう。続けることが大切です。
◎玄関→洗面の動線に手洗いセット(石けん・ペーパー・ゴミ箱)。
◎洗面台に手洗いチェック表(手の甲/指の間/親指/爪の間/手首)。
◎リビングに湿度計を1つ置いて、家族で「40〜60%」を共有。
◎子どものバッグに薄手カーディガンを常備。
◎嘔吐時の片づけ手順メモを冷蔵庫にペタッ。
6.最後に
このガイドは、公的機関や専門家の情報をもとに、宣伝なし・中立でまとめています。お子さんの持病やお薬で対応が変わることもあります。判断に迷ったら、医療機関へ。今日できる小さなことを積み重ねて、家族みんなで元気にすごしましょう。
参考文献・ガイダンス(主要)
C1:厚生労働省(手洗いの有効性:流水15秒で約1/100、石けん+すすぎで約1/10,000)
C2:厚生労働省/国立感染症研究所:インフルエンザワクチンの小児接種と有効性
C3:国立感染症研究所:手足口病Q&A(登園基準は症状・全身状態で判断)
C4:内閣府食品安全委員会:ノロウイルス対策(嘔吐物処理・手洗い)
C5:厚生労働省:換気の考え方/室内環境整備(湿度40〜60%)
C6:厚生労働省・小児科学会等:RSウイルス(基本対策・重症化予防の選択肢)
注:本記事は公的資料・学術情報に基づいて作成しました。特定の企業・製品の推奨は行いません。お子さまの基礎疾患や内服薬の有無により対応は異なります。判断に迷う場合は医療機関にご相談ください。
※記事作成時に、一部生成AIを使用しています。
執筆者

中澤佑介
なかざわ腎泌尿器科クリニック院長
[プロフィール]
【資格】金沢医科大学 医学博士、日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医、
2003年 京都府洛南高等学校 卒業
2012年 金沢医科大学 医学部医学科 卒業
2012年 金沢医科大学 氷見市民病院 初期臨床研修医
2014年 金沢医科大学 泌尿器科学 助教
2019年 金沢医科大学 大学院 博士課程修了
2021年 誠美会 池田クリニック(非常勤)
2021年 なかざわ腎泌尿器科クリニック 院長
2023年6月 JR金沢駅前にメンズヘルスクリニック(Gran Clinic)を開院。
2024年10月 JR金沢駅前に金沢駅前内科・糖尿病クリニックを開院。
※Gran Clinicは自由診療部門Granとして併設
患者さんに近い立場で専門的治療を提供したいという想いから、クリニックを開設。男性だでけなく、女性にも身近な泌尿器科クリニックを目指しています。

