1.願い事があるらしい…
猫は基本的に目を合わしたがらない動物です。猫同士の凝視は、売り言葉に買い言葉であり、瞬間的に「喧嘩相場」の急騰が起こってしまいます。偶然に出くわしても、無用な争いを避けるべく、あえて知らんぷりして、その場を立ち去ることがほとんどです。
愛猫が飼い主さんをじっと見つめてくるのは、多くの場合、何らかの要求を抱えているときです。
おやつのおねだりをはじめ、「甘えたい」、「遊んで欲しい」、ときには「トイレが汚れているから、今すぐ何とかして!」など、愛猫からのオーダーは、状況次第で変わってきます。
何となく落ち着かない様子で、愛猫が飼い主さんのほうをうかがっているなら、何か叶えて欲しいお願いがあるのかもしれません。前後の文脈やこれまでの経験を踏まえつつ、愛猫にとっての「正解」を提示してあげてください。
その際には、威嚇されたと感じる可能性もあるため、見つめ返すことなく、さりげなく視線を外すことが大切です。
2.好きと伝えてくれているらしい…
2つ目の理由は、愛情表現です。
猫は「スリスリ」や「ヘソ天」などで、ラブレター代わりに、飼い主さんへのあふれる想いを伝えてきますが、凝視もまた、その一種と考えていいでしょう。
愛猫の熱視線を浴びると、「①リクエスト、②ラブレター」の2択で迷ってしまうところですが、判断の決め手は、見つめている間、瞬きしているかどうかです。
もし愛猫が目を細めつつ、瞬きしていたら、飼い主さんへの並々ならぬ好意を示しています。飼い主さんもゆっくり瞬きを返すと、便せん一枚のラブレターに対し、長文の熱い返事が返ってきたみたいに、愛猫はとても喜んでくれます。
愛情を込めた愛猫の凝視の裏側には、飼い主さんとの分厚いまでの信頼関係が欠かせません。信頼感は、そのまま愛猫にとっての安心感に直結します。
たとえば、要求の「じっと見」のたびに、適切な回答を返してあげると、愛猫はうれしくなり、飼い主さんをより深く信頼してくれるようになります。
愛猫がその真摯な視線で「我が愛」を伝えてくれるかどうかは、まさに飼い主さんの日頃の関わり方次第です。

