指輪やネックレスを身に付けていると、皮膚に触れている部分が赤くなったり痒みが出たりする場合があります。
これらの症状の多くは金属が原因となり引き起こされる金属アレルギーの症状です。
それでも症状の原因が金属かどうか自分で判断することは難しいでしょう。
今回は金属アレルギーの治療法などご紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「金属アレルギー」とは?症状やアクセサリー着用時の注意点についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
工藤 孝文(工藤内科)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
金属アレルギーの治療法

金属アレルギーの治療法を教えてください。
金属アレルギーは他の花粉症などのアレルギー同様に一度発症すると完治は難しいです。皮膚炎などで金属アレルギーの疑いがある場合には、まずどの金属に対してアレルギー反応が起こるのか調べる必要があります。その方法としては、パッチテストや特定の金属を多く含有する食材を使って負荷試験を行い症状の変化を見る方法などです。
金属アレルギーの症状が出た場合、多くのケースではその金属を体内から取り除けば1~2週間程で症状が治まります。症状によっては長引くこともあり、特に全身に症状が及ぶケースでは症状が治まるまでに1~2年かかるケースもあるようです。身に付けるアクセサリー以外にも虫歯の治療などに使われる銀歯や詰め物などの金属も原因となる場合があります。
これらの原因となる金属をすべて取り除いた上で、湿疹については塗り薬や飲み薬を使った治療が有効です。塗り薬にはステロイドの軟膏を使い、飲み薬には抗ヒスタミン薬などが用いられます。しかし、金属アレルギーは完治することが難しくステロイドの外用薬は長期に渡り大量に使用すると副作用が起こることもあります。まずは体内から原因となる金属を取り除くことを優先し、その後の処置は医師の判断を仰ぐことが重要です。
パッチテストはどこで受けられますか?
金属アレルギーの検査を行うパッチテストは主に皮膚科で行うことが可能です。検査は保険適用できるため、費用は1,500円程度で済ませられます。検査方法はアレルギーの疑いのある試薬を肌につけて反応が起こるかチェックする方法です。
パッチテストはその場ですぐにできるものではなく、試薬を肌につける期間も48時間と長い間つけている必要があります。さらにその反応を3日後と7日後に確認するため、最低でも1週間はかかります。そして、1週間かけて反応が出なかった場合でもアレルギーの疑いが完全になくなるとは言い切れません。その時の体調によって症状の出方に差が出てしまうため、検査で陰性でもその後アレルギーを引き起こす可能性はあります。
そのため、陽性反応が出た場合はアレルギー原因を特定できますが、反応が無かった場合でも慎重に経過観察することが重要です。
編集部まとめ

生活をする上で、金属製品はなくてはならないものです。
指輪や時計などの身に付けるアクセサリーや、虫歯の治療でも銀歯や詰め物などで金属が使われています。
また、食材の中にも銀や亜鉛、クロムなどの金属が含まれており、これらは身体の調子を整える上で必要な栄養素です。
しかし、体内に取り込みすぎてしまい許容量を超えてしまうとアレルギー症状を引き起こします。
金属アレルギーの治療にはステロイドの軟膏や抗ヒスタミン薬の飲み薬などを使用して症状を和らげることが可能です。
それでも完治は難しい病気であるため、重要なのは原因となる金属を体内に取り込まないように注意することでしょう。
参考文献
アレルギー疾患皮膚科について|わかたび皮膚科
よくある質問(金属アレルギー編)|ふたぎ歯科医院

