「おたふく風邪に罹患した場合の注意点」は何かご存じですか?医師が解説!

「おたふく風邪に罹患した場合の注意点」は何かご存じですか?医師が解説!

おたふく風邪は正式名称を流行性耳下腺炎といい、ムンプスウイルスによる感染症になります。

おたふく風邪は感染すると、重症化する場合もあり難聴や髄膜炎など合併症の可能性もあるため注意が必要な病気です。

合併症の危険を防ぐためにも、おたふく風邪はワクチンで予防をしておきましょう。

今回は、おたふく風邪の特徴や罹患時の注意点についてお話をしていきます。

※この記事はメディカルドックにて『おたふく風邪に罹患した場合の注意点は?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

和佐野 浩一郎

監修医師:
和佐野 浩一郎(医師)

慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了。2018年より独立行政法人国立病院機構東京医療センター臨床研究センター聴覚・平衡覚研究部室長。日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医・補聴器相談医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、日本耳科学会耳科手術暫定指導医、頭頸部がん専門医・指導医、日本がん治療認定医機構日本がん治療認定医、日本気管食道科学会気管食道科専門医。

おたふく風邪に罹患した場合の注意点は?

頬を押さえる子供

おたふく風邪にかかった際の過ごし方を教えてください

おたふく風邪に罹患した場合は、インフルエンザのような専用の薬がないため、安静にして治るのを待つしかありません。耳下腺の腫れで痛みがある場合は耳の下を冷やしてみて下さい。

冷やしても、おたふく風邪が治るわけではありませんが、痛みを和らげることができます。冷却シートやアイスノン、冷湿布を使うとよいです。

我慢できない痛みや発熱がある場合は、薬を飲んで下さい。おたふく風邪は発症2日前~5日目までは、人に感染するため外出を控えて自宅で安静に過ごすようにしましょう。

食事はどのような点に気をつけるべきでしょうか?

おたふく風邪になると耳の下や顎の下などが腫れるため、痛みを感じることが多いです。腫れているせいで口が開け辛くなる方もいます。

腫れや痛みがある間は、おかゆやゼリー飲料など柔らかくて食べやすいものを食べるようにしましょう。また唾液腺が腫れるため唾液が多く分泌されると痛みがでるため、唾液の分泌を促す酸っぱい食べ物も避けた方がよいです。

脱水を避けるためにも水分はこまめに摂って下さい。痛みが強すぎて食事や水分補給が難しい場合は点滴をします。

保育園や学校はどのくらい休む必要がありますか?

おたふく風邪は学校保健安全法で出席停止となる感染症のため、保育園や学校は休ませる必要があります。感染を広げないためにも必ず守るようにしましょう。

出席停止の期間は、耳下腺・顎下腺・舌下腺の腫れなどの症状が出始めた日を0日として、おたふく風邪発症した翌日から5日が経過して、全身症状が良くなるまでです。

おたふく風邪の発症から5日経っていても腫れ・痛みが残っている場合や熱がある場合は、お休みをしましょう。

大人がかかった場合も休む期間は決まっていますか?

大人の場合は法律による出勤停止期間は決まっていません。しかし、おたふく風邪は感染力が強いため、無理に出勤をすると周りに感染を広げてしまいます。大人がおたふく風邪になると重症化しやすいため周りの方に感染してしまうと大変です。おたふく風邪に罹った場合は会社を休み、外出を控えるようにして下さい。

会社によっては、感染症による出勤停止期間を定めているところもあります。もしおたふく風邪に罹患したら、まずは会社に連絡をして指示を仰ぎましょう。

会社に規定がない場合は、学校保健安全法の規定を目安にして、おたふく風邪発症から5日以上が経ち症状がおさまるまでは、自宅で療養をしてください。

編集部まとめ

両手で顔を押さえる女性
おたふく風邪は感染力が強いため、罹患してしまったら症状がおさまるまでは学校や仕事はお休みして外出を控えるようにしましょう。

おたふく風邪には特効薬がないため、すぐに回復することは難しいです。腫れや痛みなどの症状がある間は、鎮痛剤を服用するなどして安静に過ごして下さい。

昔は、おたふく風邪は自然に罹ったほうが強い免疫がつくといわれていました。しかし、自然に罹った場合は合併症を引き起こす危険があります。

家族など周りの人に感染を広げてしまうなど、おたふく風邪に自然に罹ることはデメリットが多いです。

おたふく風邪はワクチンで予防できる病気で、ワクチン接種後に万が一おたふく風邪に罹患をしても重症化や合併症のリスクが少なくなります。

おたふく風邪ワクチンは、副反応が起こる可能性もあるため接種を避ける方もいますが、ワクチンが予防に最も有効な方法です。

お子さんはもちろん大人の方でも、おたふく風邪に罹患したことがない場合は、ワクチンのメリットとデメリットを理解した上で接種を検討して下さい。

参考文献

流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)|国立感染症研究所

おたふくかぜワクチン|ワクチン.net

配信元: Medical DOC

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