「ゆとりだから根性がない」を口癖とするおつぼね・鈴木さんのパワハラは、若いアルバイトにも容赦がない。さゆりはその指導はパワハラだと確信し、同僚の恵美と鈴木さんについて話すのですが…。
教育の度を越えた叱責
「ゆとりだから根性が足りない」「責任感がない」
おつぼねの口癖は、この二つに尽きる。新しいメンバーが少しでもミスをしたり、自分の期待通りの動きをしなかったりすると、彼女の「ゆとり世代論」が炸裂する。
ある日の閉店間際、若いアルバイトの子が、オーダーの伝票を間違えてしまい、お客様に提供するまでに少し時間がかかってしまったことがあった。大きな問題ではなかったが、おつぼねはその子を捕まえて、延々と叱責を続けた。
「あなたねぇ、たかが伝票ミスでしょって思ってるでしょ。そのたかが一つが、店の信用を失う。ゆとりにはわからないかしらね」
アルバイトの子は、青い顔でただ立ち尽くすしかなかった。
私は思わず声をかけそうになったが、その子をかばうことで、今度は私がターゲットになることを一瞬で計算してしまい、結局何も言えなかった。その場の沈黙が、さらに私を追い詰める。
価値観がアップデートされないお局
「今の学生は本当に根性がない。私たちが若い頃は、これくらいで泣き言なんて言わなかったわよ。お給料もらってるんだから、プロ意識を持ってくれないと困るのよね」
そう、おつぼねはいつも「プロ意識」という言葉を使う。パートの私たちに対しても、まるで正社員以上の責任を負わせるかのように。もちろん、仕事に責任を持つことは大事。でもおつぼねがしていることは、もはや「指導」ではなく、単なるパワハラだと思う。
おつぼねの最大の厄介な点は、彼女自身に「やばいことをしている」という自覚が全くないことだ。
彼女の頭の中にある「自分が正しい」という感覚が、彼女を孤高の独裁者にしてしまっている。そして、昔から彼女を知っているからこそ分かる。鈴木さんは、この10年、何一つ変わっていないのだ。
世の中のハラスメントに対する意識が変わっても、彼女の価値観だけは昭和のまま時が止まっている。

