「クレアチニン」が高い時、低い時の正しい対処法・改善法は?
クレアチニンが高い時には、腎臓病が疑われ、受診した上で原因に対する治療が必要になります。一般的に腎不全に対しての食事は、減塩・低蛋白食が勧められます。しかし、食事制限の必要性や、生活の制限などは腎臓病の原因、進行具合により異なります。安易に、「腎臓に良い」「クレアチニンを下げる」というような食事やレシピに飛びつかないようにしましょう。いずれの病態にしても、ストレスをためず、睡眠を良く取り生活リズムを整えることは非常に大切です。
一方、クレアチニンが低い時には、筋肉量が低下している可能性があります。筋肉疾患がない場合には、食事や運動で筋肉量を増やすことが勧められます。特に高齢者は、「サルコペニア」という全身の筋力低下による身体機能の低下が起こりやすいと言われています。これは、適切な運動と充分な蛋白摂取が勧められます。サルコペニアを合併すると認知症も進行しやすくなります。食事、運動の見直しを行いましょう。
「クレアチニン」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「クレアチニン」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
健康診断でクレアチニンが高い人は腎臓病の危険性がありますか?
伊藤 陽子 医師
クレアチニンが高い場合、腎臓病の可能性があります。自覚症状がなくとも、早めに再検査を受けましょう。
クレアチニンを下げる食事はありますか?
伊藤 陽子 医師
クレアチニンを下げる食事やサプリは、残念ながらありません。クレアチニンが上がって、腎障害があるのであればその原因に沿った治療をしましょう。
クレアチニンとクレアチニンクリアランスの違いはなんですか?
伊藤 陽子 医師
クレアチニン値は単純に血液中のクレアチニンの値を示し、腎臓機能の評価として用います。しかし、腎機能が半分以下程度に悪化するまで上昇しないため、初期の腎障害の評価としては不十分です。
一方、クレアチニンクリアランスとは、クレアチニンの腎臓での排泄能力を計算するものでより正確に腎機能を評価できます。しかし、一定時間の畜尿が必要であり、なかなか外来で行うことが困難です。
クレアチニンクリアランスの計算方法を教えてください。
伊藤 陽子 医師
クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73㎡)=(尿Cr(mg/dL)×24時間尿量(mL))/(血清Cr(mg/dL)×1440(min))×1.73/体表面積(㎡)
となります。正常値はおおよそ100mL/min/1.73㎡です。
クレアチニンが高いのは水分不足でしょうか?
伊藤 陽子 医師
クレアチニンが高い場合には、水分不足の可能性もあります。しかし、腎機能の低下による場合もあり必ず再検査をしましょう。

