梅毒とは、性感染症の一種であり、近年感染者が増えている病気です。誰でもかかる可能性があるため、注意が必要です。
しかし、具体的な症状や感染経路など、どのような病気なのかを知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、梅毒の症状を詳しく解説します。潜伏期間・検査方法もご紹介するので参考にしてください。
※この記事はメディカルドックにて『「梅毒」の症状・初期症状・感染経路はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
磯野 誠(医師)
2006年防衛医科大学校卒業、2013年防衛医科大学校医学研究科、2015年Heinrich Heine大学泌尿器科学講座(ドイツ連邦共和国)留学、 2023年所沢いそのクリニック開院
梅毒の検査と治療

梅毒には潜伏期間があると聞きましたが…。
原因菌に感染して、実際に症状が現れるまでの間が潜伏期間です。この期間は、おおよそ3週間~6ヶ月程度といわれています。しかし、個人差も大きいため、短い方であれば1週間で発症する方もいます。また、第1期~第3期までの間に、何度も症状が出たり消えたりして数回の潜伏期間がある点も特徴です。
潜伏している間も、感染しないわけではありません。そのため、感染者が感染していることに気づかず性行為を行って、相手を感染させてしまうことも少なくないのです。
梅毒への感染を疑う場合は何科を受診すれば良いですか?
症状が現れるなどして、梅毒の感染を疑う場合は、次のような診療科目を受診しましょう。泌尿器科
性感染症内科
皮膚科
産婦人科
特に女性の場合、妊娠の可能性も考えられるため、産婦人科も挙げられます。
また、自治体によっては、保健所で梅毒検査を行っている場合もあります。これらを利用して、受診してみると早期発見につながるでしょう。
どのような検査を行いますか?
検査内容としては、主に視診と血液検査を用いて、感染状況を確認します。視診では、身体の発疹などの状況を確認します。しかし、これだけでは他の皮膚疾患の可能性があるため、血液検査によって抗体を調べるのです。
血液検査では、TPHA法やRPR法などを組み合わせて、感染の有無と症状の段階を調べます。
しかし、感染して間もなくでは、血液検査では明確な結果が出ない可能性があるでしょう。万が一、症状が現れてすぐの検査であるような場合は、2週間ほどあけて再検査を行います。
また、血液検査の実施は、初めて受診したときだけではありません。感染発覚後も、治ったかどうかを確認するために、おおよそ1ヶ月に1度のペースで行います。
治療方法を教えてください。
梅毒の治療方法は、ペニシリン系の抗菌薬の内服が原則です。ペニシリン系抗菌薬を内服する場合、症状に応じて服用期間が異なります。第1期の症状であれば、約2週間~4週間程度の服用が必要です。第2期の症状の場合は4週間~8週間、第3期以降の場合は8週間~12週間の服用が必要となります。
いずれも、毎日欠かさず飲み続けなければなりません。
また、抗生物質を筋肉注射する方法もあります。注射についても、症状の状況に応じて回数が異なります。第1期・第2期の場合は1回の注射で、第3期まで症状が進んでいる場合は、1週間間隔で3回ほどの注射が必要です。
神経梅毒の場合は、点滴治療となります。
編集部まとめ

梅毒は、昔の病気ではありません。現在も感染者が増えている病気であり、感染拡大を防ぐため、再感染を防ぐためには正しい予防と治療が大切です。
万が一感染しても、早期に治療することができれば、症状を悪化させず完治させることも不可能ではありません。
症状を見逃して、発見が遅れてしまうようなことを避けるためにも、正しい知識を身につけて感染と悪化を防ぎましょう。
参考文献
梅毒|東京都性感染症ナビ
急増する梅毒 原因や感染経路とは?症状・予防・治療法を徹底解説|NHK健康ch
もしかして梅毒!?|東京都性感染症ナビ

