医療技術の進化により、卵子凍結の成績も向上しています。今回は卵子凍結の妊娠成功率について Shinjuku ART Clinicの阿部先生に詳しく教えてもらいました。

監修医師:
阿部 崇(Shinjuku ART Clinic)
平成12年川崎医科大学医学部卒業。平成13年日本医科大学付属病院女性診療科・産科 入局。平成21年医学博士号取得。平成22年日本医科大学付属病院生殖医療主任。平成23年加藤レディスクリニック勤務。平成26年Shinjuku ART Clinic 院長就任。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会臨床遺伝専門医、日本医科大学付属病院非常勤講師。
編集部
卵子凍結ではどれくらい、妊娠できる確率があるのですか?
阿部先生
日本産科婦人科学会の報告によると、2020年に行われた未受精の凍結卵子を用いた胚移植での妊娠率は29.0%だったことがわかっています。ただし、卵子を凍結した年齢によって妊娠の成功率は違い、年齢が若くなるほど数値は高くなることもわかっています。
編集部
自然妊娠と比較すると、どちらが妊娠成功率は高いのですか?
阿部先生
自然妊娠との単純な比較できませんが、一般的なタイミング法での妊娠率は15〜20%程度と想定されますので、胚移植ができれば凍結卵子を用いたほうが妊娠率は高くなると考えられます。
編集部
流産の確率に違いはありますか?
阿部先生
一般に、自然妊娠と卵子凍結による流産の可能性は、あまり違いがないとされています。しかし、卵子凍結の場合には、若い時に保存した卵子を用いるため、妊娠する時に高齢であっても、流産の可能性は卵子凍結を行った際の年齢相当に抑えることができます。
※この記事はMedical DOCにて<「卵子凍結の妊娠」と「自然妊娠」の成功や流産の確率に違いはある?【医師解説】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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