
「偶然見つけたハル」(2019年)や「恋慕」(2021年)で知られる人気俳優・ロウンの最新主演作「濁流」の第8、9話が10月17日に配信され、全9話の物語が完結。チャン・シユル(ロウン)が、大切な人たちを殺された相手に敵を討つ壮絶な最終決戦、その後の別れと旅立ちが描かれ、視聴者から感動の声が上がった。(以下、ネタバレを含みます)
■シユル、ワン・ヘと最終決戦に挑む
「濁流」は、ディズニープラス初のオリジナル韓国時代劇ドラマシリーズ。“無法地帯”へと変わり果てた京江(キョンガン)の渡し場・麻浦(マポ)を舞台に、全く違う人生を歩むことになった幼なじみのシユルとチョン・チョン(パク・ソハム)が再会を果たす。そして、商人チェ・ウン(シン・イェウン)も含めた3人の運命が交錯していく。
7話までで、シユルの母を殺した敵が女真族の将軍ワン・ヘ(キム・ドンウォン)であることが判明。さらにはシユルが弟のようにかわいがっていたマルボク(アン・スンギュン)までワン・ヘによって殺され、シユルの中にワン・ヘに対する憎しみが積み重なっていった。
そんな中、8話では腐敗した官吏イ・ドルゲ(チェ・ギファ)が貴重な地図を奪うべくウンの実家・チェ財団を襲撃。家も家族も失い逃げてきたウンをシユルがかくまうが、ウンを守ろうとしたチョンには最悪の運命が待ち構えていた――。ワン・ヘと腐りきった官吏たちのせいで大切な“家族”を次々と失ったシユル。最終話では、シユルがワン・ヘとの最終決戦に臨む様子が描かれている。
■「こんな人生、死ねるなら幸せだ」
泥水に押し流される“濁流”のごとく、シユルとチョン、ウンが抗うことのできない壮絶な運命に翻弄(ほんろう)される姿が描かれてきた本作。クライマックスに用意されていたのは、シユルの大切な人たちを次々に奪ったワン・ヘとの決戦だった。
チョンの遺した刀を手に、暗闇に紛れてワン・ヘの元に迫るシユル。「下がれ、でないとおまえたちは死ぬ」とすごみながら向かってくる手下たちを次々と斬り捨てていくその目は怒りに燃え、ワン・ヘの前に立つと目を見開いて彼を見据え「次はおまえの番だ」「こんな人生、死ねるなら幸せだ」と吐き捨てた。

そこからの1対1の決闘は、濁流にのまれそうになりながらも必死に耐え忍んできたシユルの人生のすべてを懸けた運命への抵抗そのもの。野生動物のようなうなり声を上げ、気迫でワン・ヘを圧倒するシユル。暗闇の中、たき火の火だけを頼りに刀をぶつけ合い、最後はシユルがワン・ヘに馬乗りになり、その憎しみすべてを込めた拳をたたき込んだ。
■チョンやウンとの別れ…
理不尽と無常に満ちたシユルの人生、その憎しみを代弁するかのような強烈な最終決戦シーン。これまでロウンがドラマやステージで見せてきた華やかさとは真逆の泥臭さ、生々しいまでの切実さ、愛する者を奪われた悲しみと憎しみが投影された怒りの形相が、決戦シーンにすごみを増している。
そんなシユルに視聴者からも「これまで抑えてきたシユルの感情が爆発してる…瞬きもできない!」「すごい迫力!シユルの涙に胸が苦しい」「最終話ずっと泣いてた。ロウンの演技が素晴らしかった」の声が飛んだ。
最終決戦の後、朝を迎えたシユルがチョンと最後の別れをするシーンも胸に迫る。あふれる涙と嗚咽から感じられるのは、兄弟同然のチョンを失ったシユルの身を斬られるような痛み。そして、ウンとの別れも…。別れのその瞬間、初めて互いの名を名乗った2人。「二度と、会えませんよね」というウンの言葉は、再会の伏線なのだろうか。
ラストシーンは、「戦争だ、戦争が始まった」と騒ぐ無法者たちと、不穏な烽火(のろし)を見つめるシユルの姿。新たな事件を匂わせるラストに、視聴者からも「続編あるってこと?」「まだ平和は訪れない、と…」「続きが気になる。続編待ってます!」との声が飛び交う反響を見せた。
“ロウンの新境地”と話題を呼んだ「濁流」(全9話)は現在、ディズニープラスのスターで全話独占配信中だ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

