下品な質問を繰り返すパート先の社員・宮田は、ついに廊下でりかこを不倫に誘います。「一度だけなら」という常軌を逸した誘いに、りかこの心は恐怖と嫌悪感に支配されました。
きちんと不快感を伝えても
宮田さんからの「夜の方どう?」という下品な質問に、私ははっきりと嫌悪感を示しました。
それは強い言葉でも、語気が強かったわけでもありません。でも、普通の人なら「この人は下ネタが嫌いなんだな」とすぐにわかるような言い方だったと思います。
これでやめてくれれば…と願っていたのですが、宮田さんの行動はおさまるどころかエスカレートしてしまいます。
決定的な言葉に血の気が引く
数日後。それは私がパートのシフトを終え帰ろうとするタイミングで起こりました。誰もいない廊下で、宮田さんが私の前に立ちふさがったんです。
「りかこちゃん、ちょっといい?」
彼の顔が、いつになく真剣で、ゾッとしました。そして、耳元で囁くような声で、信じられない言葉を口にしたんです。
「あのさ、正直に言うと、俺奥さんとうまくいってないんだよ。それでご無沙汰でさ…。このあと、1回だけどう?1回だけなら不倫にならないし、絶対満足させるからさ」
…は? 一瞬、何を言われたのか理解できませんでした。頭の中で言葉が反芻されて、それが「私を不倫に誘っている」という意味だと分かった瞬間、血の気が引きました。身体が震えだすのがわかりました。

