
アンソニー・マッキー主演で伝説的ゲームを実写ドラマ化した「ツイステッド・メタル」。2024年2月に動画配信サービス・Huluでシーズン1(全10話)の配信がスタートした本作だが、2025年9月には続編となるシーズン2(全12話)の全話独占配信も開始している。そこで本記事では、ド派手なカーアクションとともに“絶対絶命のデスレース”が繰り広げられるシーズン2の内容や見どころを振り返っていく(※以下、一部ネタバレを含みます)。
■海外批評サイトでも高評価を獲得した「ツイステッド・メタル」
原作となったのは、人気ゲーム『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズのクリエイター、デイビッド・ジャッフェが手掛けた同名カーアクションゲーム。1995年に第1作が発売され、海外では計8作品がリリースされた。そんな伝説的ゲームを、映画「デッドプール」や「ゾンビランド」の脚本家コンビ、レット・リースとポール・ワーニックがタッグを組み実写ドラマ化。
2023年7月にアメリカの動画配信サイト・Peacockでシーズン1が配信されると、配信開始から2週間で“Peacock史上最も視聴されたコメディシリーズ作品”として新記録を樹立。シーズン2も、海外批評サイト・Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)にて批評家スコア92%、オーディエンススコア84%(※2025年10月16日時点)と高評価を獲得するなど、原作ゲームに劣らない人気を集めている。
物語の舞台は、あるバグが世界中のコンピューターを破壊し、荒廃した終末世界。シーズン1では運び屋のジョン・ドウ(アンソニー・マッキー)が荷物を届けるためにアメリカ3431kmを横断し、危険なミッションを成功させる様子が描かれた。
そしてシーズン2では、ジョンが相棒のクワイエット(ステファニー・ベアトリス)とともに、謎の男・カリプソ(アンソニー・キャリガン)が主催する“ツイステッド・メタル トーナメント”に挑んでいく。“勝者には1つだけ願いを叶える”という本トーナメントには、シーズン1で対峙した殺人ピエロのスウィート・トゥース(サモア・ジョー)などお馴染みの人気キャラも登場。さらに、長い間行方不明だったジョンの妹・ドールフェイス(ティアナ・オコイエ)との再会の物語も描かれるなど、見どころ満載となっている。

■さらにパワーアップしたカーアクションシーンに注目
シーズン1のラストで相棒・クワイエットと離れ離れになり、自分だけ“インサイド(終末世界に存在する安全な居住空間)”に残ったジョンは、彼女との再会を夢見て過ごしていた。しかし“インサイド”での暮らしはなんでも手に入るもののどこか退屈で、ジョンは自由を求めて“インサイド”から逃げ出そうとする。
その頃クワイエットは、ジョンの妹・ドールフェイス率いる自警組織・ドールズに身を寄せ、“インサイド”に続く壁を壊そうと一致団結していた。ジョンはなんとか“インサイド”を抜け出しドールズに合流すると、クワイエットや妹と無事再会を果たす。
そんな折、謎の男・カリプソからドライバートーナメントを開催することが発表された。優勝賞品は“1つだけ望みをかなえる”というもので、クワイエットは「“インサイド”と“アウトサイド”を隔てる壁をなくしたい」とトーナメントへの参加に意欲を見せる。そして、危険な香りが漂うトーナメントにはじめは乗り気でなかったジョンも、クワイエットの想いに押されしぶしぶ出場を決意した。
アイスクリーム・トラックに乗ったスウィート・トゥースなど、クセの強いキャラや改造車が大集合する本トーナメント。まず最初におこなわれたのは、3ステップ構成の予選。“1.荷物を取る、2.トーナメント・シティに届ける、3.死なないこと”をルールに、荷物を無事に届けたドライバーだけが次のラウンドへ進むことができる。
その後のトーナメントでは複数のラウンドが用意されており、進むごとに危険が増していく。迷路に入り通過のための“パス”を探す第1ラウンドや、封筒の中に書かれた名前の相手を倒す“個人戦”など多種多様で、各ラウンドでは激しいカーチェイスが繰り広げられる――。
そんな本シーズンにおける最大の見どころは、迫力満点の激しいカーチェイスシーンだろう。シーズン2ではドライバートーナメントを物語の主軸に置いているため、シーズン1よりもさらに激しさを増している。特に、トーナメントの出場者がそれぞれの改造車でお互いを攻撃し合いながら突き進むレースシーンでは、激しい銃撃戦により車が爆発したり、出場者に対する個人的な恨みが垣間見えたりと、ハラハラドキドキの展開が映し出される。

■トーナメント出場者同士の絆や兄妹愛など、ヒューマンドラマも展開
またシーズン2では、クセの強いトーナメント出場者にも注目したい。ドールズの仲間をはじめ、多くの人を殺し、その魂を自分自身に取り込んで生きる“死神男”のミスター・グリムや、スパイク付きの鉄球を持つ通称“猛犬”のB・R・スティルウェル、殺した相手の髪を抜いて自分に植毛する“賞金稼ぎ”のデス・ウォラントなど、個性豊かなキャラクターたちが登場している。
中でも、ジョンがトーナメントに参加する前に出会った男・アクセルは、本シーズンにおけるキーパーソンの一人。非道な科学者によって車に改造され、ガソリンを飲む彼の辛い過去がトーナメント中に明かされていく。一見恐ろしい見た目でも、実はそれぞれ事情を抱えている出場者たち。そんな彼らの間に絆が芽生え始め、意外な人間関係が形成されていく様子は見どころの一つだろう。
他にも、ジョンとクワイエットの“ハチャメチャ”コンビっぷりや、ドールフェイスとジョンが兄妹としての絆を深めていく様子にも注目だ。幼少期の記憶がなく妹と再会しても気まずそうなジョンだったが、アクセルから逃げるために協力する2人の姿からは“兄妹らしさ”があふれ出ており、ヒューマンドラマ要素も盛り込まれた一作に仕上がっている。


