「肺がんステージ4で骨に転移した場合の余命」はご存じですか?症状も医師が解説!

「肺がんステージ4で骨に転移した場合の余命」はご存じですか?症状も医師が解説!

肺がんの骨転移についてよくある質問

ここまでステージ4肺がんの骨転移について紹介しました。ここでは「肺がんの骨転移」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

肺がんの骨転移が全身に与える影響を教えてください。

骨転移は単に骨の問題に留まらず、全身状態にさまざまな影響を及ぼします。前述の高カルシウム血症はその代表で、血中カルシウム濃度の上昇により食欲不振、倦怠感、意識混濁や腎機能障害など全身症状が出現し、適切に対処しないと昏睡に至ることもあります。

また、骨転移自体の痛みや骨折リスクによって身体活動が制限され筋力が低下すると、寝たきりや廃用症候群に陥るリスクもあります。したがって骨転移が判明した場合は、栄養管理やリハビリ、疼痛緩和などを行い、患者さんの全身状態をできるだけ良好に保つことが大切です。

骨転移が生じた骨は治療後どの程度で本来の強さになりますか?

骨転移が完全に消失し、骨が元の強度に戻ることはほとんどありません。骨への転移が起きた時点で、がん細胞が骨組織を破壊して置き換わっているため、たとえ治療で腫瘍が縮小・消失してもすでに壊れた骨の構造は完全には再生しないのが一般的です。しかし、治療によって骨の状態を改善や維持することは可能な場合があります。治療後しばらくは骨転移部位に過度な負荷をかけないようにし、定期検診で骨の状態をモニタリングしてもらいましょう。主治医の許可が出れば、骨を強くするための適度な運動やリハビリを行うことも骨密度維持に有用です。

骨転移が起きた場合の日常生活における注意点を教えてください。

骨転移患者さんの生活では転倒や怪我の予防が最も大切です。骨がもろくなっているため、ちょっとした転倒でも骨折につながりかねません。以下のような工夫を心がけましょう。

歩行時の注意
足元の段差や障害物に気を付けて、ゆっくり安定した歩行を心がけましょう。

住環境の工夫
廊下やトイレや浴室には手すりを設置し、滑り止めマットを敷くなど自宅内の転倒リスクを減らす改修を行いましょう。

補助具の活用
下肢や骨盤に骨転移がある場合は、主治医や理学療法士と相談して杖や歩行器、車いすなどの補助具を使用しましょう。

日常動作の工夫
腰や膝に負担をかける動作は避けます。床に直接座る生活より椅子に腰かける生活に改め、立ち座りしやすい高さの椅子を使うとよいでしょう。

これら以外にも、主治医やリハビリスタッフから生活上の指示がある場合は従うようにします。骨転移と上手に付き合いながら日常生活を送るために、不安な点は遠慮なく医療者に相談しましょう。


まとめ

まとめ

ステージ4の肺がんにおける骨転移は、がんが全身に広がる重要なサインであり、痛みや運動制限など生活への影響が大きいものです。しかし、近年では薬物療法や放射線治療、骨修飾薬、緩和ケアなどを組み合わせた治療により、症状の緩和と生活の質の維持が可能となっています。がんそのものの治療だけでなく、骨の健康を保ちつつ、患者さん一人ひとりに合った支援を受けることが大切です。不安なことは医療者に相談し、納得できる選択をしながら治療に臨みましょう。

配信元: Medical DOC

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