「性行為をしなければ性病にはならない」と思っていませんか? じつは日常生活にも、性病の感染リスクが潜んでいるのです。今回は具体的にはどのような感染経路に注意が必要なのかや、性病から身を守る方法を「性感染症内科ペアライフクリニック横浜院」の永井先生に解説していただきました。

監修医師:
永井 良(性感染症内科ペアライフクリニック横浜院)
帝京大学医学部卒業。2024年、神奈川県横浜市に「性感染症内科ペアライフクリニック横浜院」を開院。日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会専門医。日本性感染症学会、日本感染症学会の各会員。
編集部
性病の感染経路として、意外なものはありますか?
永井先生
場合によっては銭湯やサウナ、公衆トイレなどでも感染することがあります。基本的に、これらで感染することはほとんどありません。しかし、銭湯やサウナなどの衛生管理が極めて悪かったり、自分の性器に傷がついており、性病のある人もその銭湯やサウナなどを使っていたりする場合には、感染することも考えられます。
編集部
銭湯やサウナをよく利用する人は、どうやって感染を予防したらいいのでしょうか?
永井先生
例えば、入浴後などにシャワーで性器を洗うようにすると、感染予防に役立ちます。また、女性の場合は、床や椅子などに性器が直接触れないようにするといいでしょう。そのほか、性病に感染している人とタオルや服を共有すると感染リスクが高まりますので気をつけましょう。
編集部
性行為がなくても、体調次第で発症することがあるのですか?
永井先生
はい。そのようなときに性行為をおこなうと、パートナーにうつすリスクがあります。そのため、かゆみや炎症、おりもの増加、膣の周りが赤くなるなどの異常がみられたら早めに医療機関を受診し、治療を受けることが必要です。
編集部
ほかに、性病に感染しないために日頃からできることはありますか?
永井先生
「性行為以外でも性病に感染する」ということを覚えておいてください。例えば、オーラルセックスの際にもコンドームを使用して、性病から身を守るようにしましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
永井先生
性感染症は必ずしも症状を伴わず、無症状の場合も少なくないため、自覚症状の有無に関わらず定期検診を受けましょう。その際には、性感染症の専門クリニックで受けるのがおすすめです。性病の菌やウイルスは性器の周辺だけでなく、喉などのほかの部位に見つかることがあるので、満遍なく検査してくれるところを受診しましょう。特に風俗店で勤務しているなど、リスクが高い人は月1回受診することをおすすめします。
※この記事はMedical DOCにて<「性病」はサウナ・公衆トイレでもうつる? 性病リスクが高まる“意外な行動”を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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