フレイルの評価基準とは?
フレイルの基準はいくつかありますが、よく使用されている評価方法として、フレイル基準(改訂版J-CHS)があります。5つの項目の中で3つ以上当てはまるとフレイル、1~2つでフレイルの前段階と判断します。以下の5つが判定に用いる項目です。当てはまるものが無いか、確認してみましょう。
歩行速度の低下
普段の歩行スピードが秒速1.0m未満(5m歩くのに5秒以上かかる)である。目安として、横断歩道を青信号でわたり切れるかどうかで、判断してみるのも良いでしょう。
疲れやすい
最近2週間で理由がなく、疲れたと感じる。
活動性の低下
軽い運動、体操などや定期的な運動・スポーツなどを週に1回もしていない。
筋力の低下
握力が男性で28kg未満、女性で18kg未満となる。一つの目安として、ペットボトルのフタや瓶のフタを開けるのが困難となっている場合には気をつけましょう。
体重減少
食事制限をしていないにも関わらず、半年で体重が2kg以上減っている。
フレイル予防の3つの柱とは?
フレイルが進行すると介護が必要となる危険性が高くなります。早期にフレイルに気が付き、早めに適切な介入をして進行を防ぐことが重要です。フレイルの予防にはいかに上げる3つの柱が重要です。
バランスの取れた食事
高齢者は低栄養状態である事、タンパク質の摂取が不足している事が少なくありません。主食・主菜・副菜をバランスよく摂取することが非常に大切です。特にタンパク質の摂取が不足することで、筋肉量の減少がすすみさらにフレイルが進行することもあるため気をつけましょう。
また、3つの柱に「口腔ケア」を加えた4つの柱とすることもあります。口腔ケアは口腔機能を適切に保つことが、食事の十分な摂取につながります。また、うまくしゃべれなくなることで周囲とのコミュニケーションを避けることにもつながり、社会性の低下が起こることもあります。このような点から、普段から歯磨き、歯科受診をして口腔機能が悪化しないように気を付けましょう。また、必要であれば義歯を使用することも大切です。
体操などの適度な運動
身体の筋力やバランス機能を保つためにも、普段から適度な運動を行うことが大切です。筋肉トレーニング、有酸素運動、バランス運動などを組み合わせながら、運動をして身体的フレイルとならないようにしましょう。
まず最初は、1分程度の片足立ち(周囲につかまるものがある場所で行い、転倒しないようにしましょう。)やつかまりながらのスクワット、周囲の散歩などから始めても良いでしょう。
社会の参加
社会的な孤立を防ぐためにも、地域の活動や趣味のサークル、ボランティア活動などに参加することも良いでしょう。周囲からの孤立を防ぐことで、心身の健康や認知症の予防にもつながります。認知機能などに不安があり、予防をしたいなど相談をするために地域の包括支援センターで相談をすることも良いでしょう。

