気管支炎と聞くと「咳の症状がある病気」と思いがちですが、風邪のウイルスなどが原因で引き起こされます。風邪はすぐ治ると軽く考えていても、気管支炎が発症すると咳が続き重症になると入院するケースもある怖い病気なのです。気管支炎は急性気管支炎と慢性気管支炎の2種類に分けられますが、原因・症状・治療方法に違いがあります。今回は、気管支タイプと特徴について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事はメディカルドックにて『「気管支炎」とは?症状・原因についても詳しく解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
工藤 孝文(工藤内科)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
気管支炎のタイプと特徴

急性気管支炎と慢性気管支炎のそれぞれの特徴を教えて下さい。
急性気管支炎は気管支に入り込んだウイルスが原因のため、風邪症状が出てから3〜5日後に発症するケースが多く、痰が絡んだ湿性咳が出るのが特徴です。気管支が細い子供などは、息を吐く際に「ヒューヒュー」という呼吸音がする場合もあります。中には、発熱や食欲不振・全身倦怠感など全身症状を伴うこともあります。
慢性気管支炎の主な原因は喫煙や大気汚染などです。咳や痰の症状が1年のうちに3ヶ月以上続く咳が2年以上続く場合に診断されます。ですが、あらゆる検査をしても原因がわからない場合も、慢性気管支炎と診断されるケースもあります。
急性気管支炎は誰にでも発症するリスクがある、慢性気管支炎は喫煙者・肺疾患などの持病がある方に発症のリスクがある病気と覚えておきましょう。
慢性気管支炎と喘息の違いは何でしょうか?
慢性気管支炎も喘息も、主な症状は「咳」です。慢性気管支炎の原因は喫煙や大気汚染などですが、喘息の原因はダニやペット・ハウスダスト・花粉などのアレルギーが大半です。
また、喘息は夜間や早朝・季節の変わり目・疲れているとき・風邪を引いたときなどに、咳による発作を起こす傾向があります。
慢性気管支炎の治療は主に「禁煙」ですが、喘息は、咳を止める薬や吸入などで治療を行います。
予防することは可能ですか?
気管支炎を予防することはできます。急性気管支炎はウイルスが原因であるため、ウイルスに感染しないことが1番の予防になります。
普段から室内の温度や湿度を調節するだけでなく、外出する際はマスク・うがい・手洗いなどの感染症対策を入念に行うことが大切です。また、免疫力が下がるとウイルス感染しやすくなるため、栄養のある食事や十分な睡眠を心がけましょう。
慢性気管支炎は喫煙や大気汚染が原因のため、禁煙・空気の悪い場所へ行かないなどの対策を行えば予防できます。
重症化する可能性はありますか?
場合によっては、気管支炎が重症化するケースもあります。軽症の気管支炎だと安静にして水分補給をしていれば1週間ほどで完治しますが、重症になると2週間ほど入院して治療を行います。
気管支炎が重度になるのはインフルエンザウイルスが原因の場合が多いです。
咳の症状が3週間ほど続いたり、38度〜39度の高熱が3〜5日ほど続いたりします。
編集部まとめ

気管支炎は咳や痰などの症状があり、息苦しい状態が続くため辛い病気です。
風邪は軽い病気と思いがちですが、ウイルスが気管に入り込んでしまうと気管支炎を引き起こしてしまうため、注意しなければいけません。
そのため、風邪やインフルエンザに感染しないことが1番の予防になります。
また、気管支炎を発症させないために、普段の生活習慣を見直し健康な体作りを心がけましょう。
参考文献
急性気管支炎|一般社団法人日本呼吸器学会
慢性気管支炎とは?慢性気管支炎の症状や原因|つばさ在宅クリニック西船橋
気管支炎の診断・治療|渋谷内科・呼吸器アレルギークリニック

