安全性が高く、近視や乱視などを矯正する治療として注目を集めている「ICL」。しかしその一方、手術後に合併症が起きるといった話もあります。一体、どのようにしたらICLの合併症を防げるのでしょうか。今回は、ICL手術後の流れについて「水天宮藤田眼科」の藤田先生に教えていただきました。

監修医師:
藤田 浩司(水天宮藤田眼科)
獨協医科大学卒業。東京医科大学眼科入局。その後、船橋市立医療センター眼科医長、日本通運健康保険組合東京病院眼科部長などを務める。2000年、東京都中央区に「水天宮藤田眼科」を開院。医学博士。日本眼科学会認定眼科専門医、公益社団法人日本眼科医会代議員。日本眼科手術学会、日本白内障学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本コンタクトレンズ学会、日本眼感染症学会。
編集部
ICLの手術後、注意すべきことはありますか?
藤田先生
手術後、一定の期間は、下記項目の制限が設けられることもあります。必ず医師の指示に従いましょう。洗髪・洗顔
シャワー・入浴
化粧・アイメイク
飲酒
運転
運動
プール
編集部
手術当日や翌日、痛みや違和感はありますか?
藤田先生
異物感や充血、かすみがみられることもあります。ただし、傷口が治癒し、炎症が治まることで、時間とともに自然に改善していきます。
編集部
ほかに、手術直後の注意点はありますか?
藤田先生
なかにはレンズを装着したために、一時的に眼圧が上がる人もいます。眼圧が上がると頭痛がしたり、目が痛くなったり、吐き気がしたりするといった症状がみられます。これらを予防するため、当院では事前に飲み薬を服用していただきます。
編集部
視力はすぐに回復するのですか?
藤田先生
手術当日は、あまりはっきり見えないと思いますが、翌朝にはかなり改善しているでしょう。さらに、術後数日くらいでクリアに見えるようになってきます。手術が終わった直後にあまり見えないからといって、心配する必要はありません。ただし、術後1週間くらいは目が炎症を起こしやすくなっており、視力が変動することがあります。時間の経過とともに回復し、視力も安定してきますが、完全に回復するまでは直接目を触らないように注意しましょう。
編集部
ほかに、見え方についての注意点はありますか?
藤田先生
手術後、暗いところで明るいライトなどを見た時に光の周りににじんだ輪が見えたり、ギラギラと光ってとてもまぶしく感じられたりする「ハロー・グレア」という現象が出現するかもしれません。こうした症状の出現には個人差がありますが、多くの場合、手術後数カ月経つと自然と気にならなくなります。
※この記事はMedical DOCにて<「ICL」は合併症リスクが多い? 安全に治療を受けるための注意点や手術の流れを眼科医が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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