「不整脈」を発症したらどんな「治療薬」が処方される?薬の副作用となる症状も解説!

「不整脈」を発症したらどんな「治療薬」が処方される?薬の副作用となる症状も解説!

メディカルドック監修医が不整脈治療薬の種類・副作用・市販薬で治せるのか・その他の治療法などを解説します。

佐藤 浩樹

監修医師:
佐藤 浩樹(医師)

北海道大学医学部卒業。北海道大学大学院医学研究科(循環病態内科学)卒業。循環器専門医・総合内科専門医として各地の総合病院にて臨床経験を積み、現在は大学で臨床医学を教えている。大学では保健センター長を兼務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本循環器学会専門医、産業医、労働衛生コンサルタントの資格を有する。

「不整脈」とは?

不整脈とは、心臓の拍動が速くなったり遅くなったり、不規則になる状態です。心臓は通常、一定のリズムで拍動して全身に血液を送りますが、不整脈があるとそのリズムが乱れます。重症の場合は心不全や脳梗塞の原因になることもあり、症状があれば早めの受診が大切です。

不整脈治療薬の種類

主な治療薬として、心拍を抑える「β遮断薬」や「カルシウム拮抗薬」、脈のリズムを安定化する「抗不整脈薬」などがあります。症状や不整脈の種類によって使い分けられます。

ビソプロロール(商品名:メインテートなど)

「β遮断薬」に分類される薬です。交感神経の働きを抑えることで心拍数を安定化させ、心臓の負担を軽減します。この結果、動悸や胸の不快感を抑える効果があります。また、高血圧や心不全にも用いられ、多くの患者さんに幅広く使われています。

ベラパミル(商品名:ワソランなど)

「カルシウム拮抗薬」に分類される薬です。心臓の電気刺激が伝わる刺激伝導系に働きかけて、心拍数を正常化し、不整脈を抑制します。主に上室性不整脈(心房細動や発作性上室性頻拍など)に使用されます。脈が速くなりやすい不整脈がある患者さんに効果的です。

プロカインアミド(商品名:アミサリン注など)

「抗不整脈薬」に分類される薬です。心室性不整脈や上室性頻拍に用いられます。心臓の電気信号の伝導を遅らせることで、不整脈を抑える効果があります。脈が速くなる不整脈に有効です。注射薬もあり、緊急時や手術中など、即効性が求められる場面でも使用されます。

シベンゾリン(商品名:シベノールなど)

「抗不整脈薬」に分類される薬です。心房細動や心室性期外収縮などに用いられます。心臓の刺激伝導系に作用して、心臓の電気の流れを安定化させることで、脈の乱れを整える効果があります。比較的副作用が少なく、外来での長期的な治療にも適した薬です。

アミオダロン(商品名:アンカロンなど)

「抗不整脈薬」に分類されます。心房細動や心室性不整脈など重度の不整脈に使われことが多いです。心臓の筋肉細胞の電気的活動を安定させることにより、心臓のリズムを整える作用があります。強力な効果が期待できます。

配信元: Medical DOC

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