不整脈の主な治療法
不整脈の治療は、薬で脈を整える「薬物療法」が基本です。効果が不十分な場合は、心臓にカテーテルを入れて異常な電気信号の元を焼き切る「カテーテルアブレーション」という治療が行われます。また、心拍が極端に遅い場合には「ペースメーカー」の植え込みが必要になることもあります。
薬物療法
基本的な治療です。心電図やホルター心電図などで不整脈の種類を診断し、それに応じた薬剤を処方します。入院は通常不要で、外来通院での治療が一般的です。効果や副作用の確認のため定期的な通院が必要です。
カテーテルアブレーション
循環器内科で行い、心臓内の異常な電気信号をカテーテルで焼灼して除去する治療です。事前に心電図、心エコー、心臓電気生理検査などで原因を特定します。数日の入院(3~7日程度)が必要で、退院後も数回の外来通院が必要です。再発予防のため薬の調整も必要です。根治の可能性が高い治療と言えます。
ペースメーカー埋め込み
心拍が極端に遅くなる徐脈性不整脈に対して行います。循環器内科にて、心電図やホルター心電図などの検査を行い適応の有無を判断します。治療には入院が必要です。局所麻酔で手術を行い、通常3~7日ほどの入院を要します。退院後は、ペースメーカーの電池残量や作動状況のチェックが必須のため、定期的な通院が必要です。
ICD(植込み型除細動器)
致死性の心室性不整脈を有する患者さんに対して行う治療です。循環器内科で心電図や心機能検査のうえ、必要の有無を判断します。植込み手術は数日の入院を要し、退院後は定期的に作動確認と生活指導を受ける必要があります。命に関わる不整脈に対し、心臓突然死のリスクを大きく下げるため、予防的治療として非常に重要です。
生活習慣の改善
薬や手術と並行して重要なのが生活習慣の見直しです。循環器内科で指導を受け、塩分の制限、禁煙、睡眠の質の向上、ストレス管理などが推奨されます。通院しながら生活改善の効果を確認し、不整脈の発作予防につなげます。通常入院は不要ですが、高血圧や糖尿病などの持病がある場合は、治療も含めた総合的な管理が必要です。
「不整脈の薬」についてよくある質問
ここまで不整脈の薬について紹介しました。ここでは「不整脈の薬」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
不整脈は薬で完治するのでしょうか?
佐藤 浩樹 医師
完治させることはなかなか難しいです。薬は、脈の乱れを軽減したり、症状を和らげたりすることはできます。しかしながら、原因そのものを取り除くわけではありません。根本的な治療の1つとして、カテーテル治療があります。
不整脈の代表的な治療薬について教えてください。
佐藤 浩樹 医師
代表的な治療薬として3種類あります。心拍を抑える「β遮断薬」、心拍数を正常化し、不整脈を抑制する「カルシウム拮抗薬」、リズムを安定させる「抗不整脈薬」です。これらの治療薬は、不整脈の種類や症状によって使い分けられています。

