「心房細動の原因」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「心房細動の原因」はご存知ですか?医師が徹底解説!

心房細動の原因とは?メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「心房細動の症状」はご存知ですか?初期症状・なりやすい人の特徴も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師:
伊藤 陽子(医師)

浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

「心房細動」とは?

正常な脈は右心房にある洞結節から電気信号が起こり、これが心房、心室へと伝わり心臓が収縮します。このような洞結節から始まる規則正しいリズムではなく、心房内に流れる電気信号の乱れにより起こる不整脈を『心房細動』といい、心房が細かく震え脈拍が不規則となります。

心房細動の主な原因

心房細動の原因として多いのは、①加齢、②高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、③心臓病(弁膜症、心不全、先天性心疾患、心筋梗塞、心筋症)④飲酒、喫煙です。それぞれの原因について詳しく解説します。

加齢

加齢に伴い、心房細動の合併が多くなります。2003年の健診の結果より、心房細動の有病率は、70才代で男性3.44%女性1.12%、80才以上で男性4.43%女性2.19%でした。何も病気がなかったとしても、加齢により心房細動を発症することもあります。70才を超えたら、ご自身の脈を測る習慣をつけましょう。また、脈の乱れを感じた場合には、循環器内科を受診しましょう。

生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群

糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病では動脈硬化が進行しやすいため、心疾患の合併が多く、心房細動の発症率も高いです。また、睡眠時無呼吸症候群も睡眠時に低酸素状態が持続し、心臓に負担がかかるため心房細動発症の危険因子となります。いずれの病気も、それぞれの病気をしっかりと治療することで心房細動を発症することを予防することができます。これらの病気がある方は、まず治療をしっかりすることが大切です。

心臓病

心臓病は心筋に負荷がかかるため、心房細動の危険因子となります。弁膜症や虚血性心疾患、心不全、先天性心疾患、心筋症のいずれの病気も原因となり得ます。これらの病気が元々ある方は、通常から病気を良い状態にコントロールしましょう。心臓病の加療を継続することが、心臓の負担を軽減することにつながり、心房細動の発症を防ぐことになります。

飲酒、喫煙

飲酒や喫煙も心房細動発症の危険因子です。アルコールは、分解産物が心筋に障害を与えることで、心臓にストレスを与えます。また、喫煙者は非喫煙者と比較し、心房細動発症のリスクが1.5倍上昇します。カフェインの過剰摂取や睡眠不足、精神的ストレスも心房細動の危険因子です。いずれにしても、体にストレスを多く与えるものは心房細動の危険因子となり得るため、気をつけましょう。

配信元: Medical DOC

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