肺がんを発症する原因
ここでは、肺がんを発症する原因として考えられているものを紹介しましょう。
喫煙
喫煙は、肺がんの原因としてもっとも影響が大きいものです。
喫煙者は非喫煙者と比べ、男性で4.4倍、女性で2.8倍肺がんになりやすいとされています。
タバコを吸い始めた時期が早く、吸う量が多いほど肺がんになるリスクが高まります。
受動喫煙によっても肺がんのリスクは高まります。
アスベストなどの有害物質
アスベスト(石綿)は、過去にビルなどの建設工事などに保温断熱のために使用されていた繊維状ケイ酸塩鉱物です。現在では使用は禁止されています。
吸い込むことで、肺がんや肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫という肺を包む膜のがんなどを引き起こす可能性があります。肺がんの場合、アスベストを吸い込んでから15〜40年ほど経ってから病気になると言われています。そのため、以前にアスベストを吸っていた方や現在建築に携わっている方は、定期的な健康診断を受けることをお勧めします。
肺がん以外の呼吸器疾患の既往
肺結核や肺気腫、慢性気管支炎、喘息などの呼吸器疾患の既往が肺がんリスクとなることが報告されています。しかし、詳しいメカニズムなどは現時点では不明な点もあります。
そのため、こうした呼吸器の病気があるからといって肺がんに必ずなるわけではありません。何らかの呼吸器疾患をお持ちの方は、呼吸器内科などでしっかりと治療を受けることが大切です。
「肺がんの爪の形」についてよくある質問
ここまで肺がんの爪の形などを紹介しました。ここでは「肺がんの爪の形」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
爪の状態で呼吸器系疾患を患っているかわかるのでしょうか?
羽田 裕司 医師
ばち状指があるからといって、必ず肺がんとは限りません。
例えば、肺膿瘍、気管支拡張症、嚢胞性線維症、特発性肺線維症、石綿肺などでもばち状指になることがあります。呼吸器系疾患以外にも、心臓や肝臓の病気などでばち状指が起こることもあります。

