
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、鈴木日々喜さんの読み切り漫画「そこに在る花」。現在はカドコミにて掲載されている。
作者である鈴木さんが8月29日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、4,700件を超える「いいね」が寄せられた。本記事では鈴木さんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
■5年間プロポーズを待ち続けた女性の運命は…
主人公・マヤが住むところでは、年に一度伝統的な祭りが開かれている。祭りでは16歳を迎えた女性が”花無し”となり、男性からドレスの背中に花を飾ってもらう。花を飾られた女性は飾った男性と結婚するのだ。マヤはこれまで5回祭りに参加したが、まだ花を飾ってもらえない。そして自信を持てないまま、6回目の祭りが近づいていた…。
本作を投稿したX(旧Twitter)には「とっても好きなお話」「めちゃくちゃ良かった」「全世界の生物見て」などの声が寄せられている。
■「誰かに幸せにしてもらうことも素晴らしいですが、自分で自分を幸せにできる力は生きる上でとても重要な力」作者・鈴木日々喜さんが思う”幸せの”形とは…。

――「そこに在る花」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
「花嫁」と言う言葉に疑問を持ったからです。なんで、「花」嫁なんだろう。花がついていたからなのかな?花のようだからなのかな?と考え、今作オリジナルの伝統文化を創作しました。さらに、そこに昔から考えていた「一人で着ることができないドレス」と言う要素を追加して作られた話でした。「一人で生きること」への肯定を描きたいと思い、描きました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
やはり花をつけた女性たちの姿です。この作品で「花」は幸せの象徴として描かれているので、それを意識して見ていただけたら嬉しく思います。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
アニタがマヤにかける、「そんなことないわ 立派よ 自分を幸せにする術を持ってるのよ」という言葉です。誰かに幸せにしてもらうことも素晴らしいですが、自分で自分を幸せにできる力は生きる上でとても重要な力だと思うからです。その力がある人に「私ってすごいんだ!」って思って欲しかったです。
――本作では「幸せとは何か」を考えされられました。ストーリーを創作するうえでこだわっていることがあればお教えください。
ありがとうございます。まさしく「幸せ」について書いた話でした。今回は「人それぞれ幸せの形は違うから、自分の幸せに素直に生きよう」というメッセージを持たせて書きましたが、私はそういった現代で見落とされてしまいがちなメッセージを書きたい!という気持ちで作品作りをしています。SNSなど忙しい情報社会の現代では、見落とされている感情や幸せがたくさんあると思います。見落とした結果、息苦しさを感じると思うので、その現代で生きる上での息苦しさを少しでも和らげることができたら、ということにこだわって作品を描いています。他の人が見落としたところを拾い上げたいです。
――今後の展望や目標をお教えください。
人が人に優しくなれるような、人が自分に優しくなれるような気持ちになる作品を描いていきたいです。また、紙のコミックスを出してもらうのが夢なので、まずはそれを目標に頑張っていきたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
これからも面白い作品を描いていきたいと思っているので、リポストや作品紹介、感想を呟いてもらったりなどで応援してもらえたら嬉しいです!そしてたくさんの作品がある中で私の漫画を見つけて読んでくださった方、本当にありがとうございます!

