●プラットフォームによる自主規制
現在、メディアに関する法律としては放送法があります。テレビ・ラジオに特別な法律がある理由は、有限の電波について国が誰に免許を付与するか決める枠組みが必要になるからです。
新聞、週刊誌、ネットメディア、さらには個人のYouTuberや配信者を規制する法律はありません。
新聞、週刊誌、ネットメディアには、複数の人間がファクトチェックする機能があり、差異はあれど一定の編集機能があります。また、重大な誤報があれば、役員や幹部の解任や懲戒処分となり、自浄作用があります。
しかし、個人のYouTuberや配信者には、複数人によるファクトチェックがあるかも不明で、あるとしてもどこまで機能しているかわからず、影響力の大きさに関わらず一般的な刑事・民事の責任を負うのみです。
配信者が最も恐れるのはアカウントの凍結・停止であり、YouTube、Xを始めとする各プラットフォームが、配信者の生殺与奪の権限を握っています。
しかし、国が各プラットフォームを監督規制する枠組みはなく、各プラットフォームと配信者との関係も一定のルールはあるものの、実際の運用実態は不透明です。
政治、エンタメ、経済、社会、あらゆる領域で影響力の増すネット上のプラットフォームですが、各プラットフォームで自主ルールを定め公開することが重要かと思われます。
例えば今回のような芸能の領域では、「芸能人の家族を掲載する行為は禁止とする」というルールを作成し表示していくこと、違反者のアカウントを凍結していくことが現時点でまずは必要かと思われます。
【取材協力弁護士】
河西 邦剛(かさい・くにたか)弁護士
「レイ法律事務所」、芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事。「清く楽しく美しい推し活〜推しから愛される術(東京法令出版)」著者。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:https://rei-law.com/

