「ノスタルジー&ファンタジー現代美術の想像力とその源泉」展に行ってみよう!

「ノスタルジー&ファンタジー現代美術の想像力とその源泉」展に行ってみよう!

子どもと一緒に楽しみたい!けど、どこに行ったらいいの?!というママさんに必見! これからの季節、直接足を運ぶことができるアートなイベントをご紹介します。
ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉展

今回ご紹介するイベントは、大阪・中之島にある国立国際美術館で開催されている「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」展です。

ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉展

ノスタルジーとは郷愁のこと。生まれ育った故郷を懐かしんだり、古き良き時代を思い返したりする心情を表しています。ですが、思い出の中の風景というのは、その時の自身の感情に影響され、時には現実から離れて空想の世界へと飛躍していったりするものです。この空想の世界をファンタジーと呼ぶことができるでしょう。ノスタルジーとファンタジーは、ともに私たちの誰もが抱く心のありようといえるのです。
本展では、この二つのキーワードに注目し、過去の記憶と向き合いながら、それを独自のイメージの世界へと昇華させている日本の現代美術家10組の作品を紹介しています。

展覧会の中でまず気になるのが、今回のメインビジュアルにもなっているこちらの作品。

ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉展

橋爪彩《Chloris》2011年 個人蔵courtesy of imura art gallery 撮影:加藤健

美しい女性の首元の写真に見えますが、実はこれ絵画作品なのです。橋爪彩の描く絵は、一見リアルに見える写実絵画。でも、本物の作品をよくよく見ていくと、「あれ?どこかおかしい…?」とリアルから少しずれた不思議な物語性がみえてきます。描かれる女性たちはまるで現代の私達の多様な物語を象徴しているようです。絵だからこそできる、ファンタジーの世界に惹きつけられます。

ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉展

橋爪彩 展示風景 courtesy of imura art gallery

次の作品は思わず近寄ってみたくなる、どこか懐かしさを感じさせる綺麗な花壇や庭の作品。

ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉展
「ノスタルジー&ファンタジー現代美術の想像力とその源泉」展に行ってみよう!

須藤由希子 展示風景 courtesy of Take Ninagawa

須藤由希子は日常で気にもとめない風景や忘れ去られそうなものを、鉛筆一本で丹念に描いている作家です。こうやってみると、私達は日々こんなにも美しいものたちに囲まれて生きていたのかという幸せな気持ちを再認識させられます。

ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉展

須藤由希子《鉢植えと家‐月島》2008 年 ギャラリーイヴ蔵 courtesy of Take Ninagawa

須藤の描く細かい線一本一本が、私達にありのままの世界とじっくり向き合う素晴らしさを語りかけてくれているようです。

そして展示会場最後の部屋には、びっくりするほど大きな壁が!

ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉展

淀川テクニック《Let’s become garbage!(みんなでゴミになれる!)》(部分) 2014年 courtesy of the artists and Yukari Art

これは淀川テクニックによる《Let’s become garbage!(みんなでゴミになれる!)》という作品。横4m55cm縦7m28cmもある大作です。でもこれ、ただのゴミの壁ではないんです。後ろに回ってみてみると、この大きな壁が実は顔出しパネルになっていて、観る人が作品に入り込んでゴミと一体化してしまうという作品なんです。

ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉展

この作品の前では写真撮影もOK。展覧会をみた思い出にここでしか撮れない家族写真をぜひ撮ってみてください。

ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉展