脳科学者・澤口俊之が「ピアノが脳にいい!」と断言する理由

脳科学者・澤口俊之が「ピアノが脳にいい!」と断言する理由

そろばんとサッカーもHQを向上させる効果あり

そこで一番知りたいのは、ピアノのほかにもHQを高める習い事はあるのかということ。

「ピアノほどの効果がみられるものはありませんが、現時点で効果が証明されているのは“そろばん”です。それから、最近ではサッカーにも効果があるという研究結果が出てきています。今、私が脳にいい効果をもたらす習い事としてすすめるとしたら、ピアノ、そろばん、サッカーの3つですね。ただ、あくまでも現時点なので、研究が進むにつれてもっと効果的なものが出てくる可能性はあります」
では、習い事をするとき嫌々やった場合は、脳への効果はあるのか気になるところ…。
「これは、やはり楽しんでやるほうがより効果的ですね(笑)。つまり、ドーパミンが出た状態でないと基本的には効果は望めないのですが、子どもはもともとドーパミンの数値が高いので、訓練と思って取り組んだり、嫌々でも取り組んだほうがよりいいと思います」

今もなお、ピアノが習い事の王道に君臨することには、やはりそれだけの理由がちゃんとあったと言えるのかもしれませんね。

お話をお聞きした人

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澤口俊之

1982年 北海道大学理学部生物学科卒業/1988年 米国エール大学医学部神経生物学科 ポストドクとして赴任/1991年 京都大学霊長類助手研究所助手/1991年 北海道大学医学研究科教授/2006年 人間性脳科学研究所所長就任/2012年 武蔵野学院大学教授兼任/2013年 同大学院教授兼任専門は神経科学、認知神経科学、霊長類学。理学博士。近年は乳幼児から高齢者の幅広い年齢層の脳の育成を目指す新学問分野「脳育成学」を創設・発展させている。著書に「幼児教育と脳」「わがままな脳」「学力と社会力を伸ばす脳教育」「夢をかなえる脳」「やる気脳を育てる」など多数。最近の著書に「脳を鍛えれば仕事はうまくいく」「モテたい脳、モテない脳」がある。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、NHK「突撃!アッとホーム」等、TV番組にも出演。